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兵庫県の先生方に講演

2025.01.31(金) 08:00

1月31日。弁護士の津久井先生から頂戴したエネルギーのおかげで元気に明石へ。兵庫県教育委員会主催の研修会で約2時間の講演を依頼されていたのである。演題は「これからの英語教育と英語教員」でお願いしたいとのことだったので、メルマガに書いたとおり、現代の日本や世界の情勢と英語教育の関連と在り方についてお話し申し上げた。

学校の教員の仕事は人を育てることだが、教育内容が社会と乖離していてはニーズに応えられない。英語が話せるように、聞けるようにという社会的ニーズがあるのであれば、和訳ばかりしていても意味がない。和訳や英作は基本的な英語学習として大切なのだけれど、AIがやってくれる部分まで学校でやっていては大切な部分を見失う。

人口が激減していく日本について、英語教育界に求められることについて、現在の英語教育の問題点について、Dad Jokesをまじえながらお話ししたが、皆さん大笑いしながらも頷いておられた。有意義な会になったのであれば幸甚である。

高校3年のとき、模試の英語の偏差値が83だった。全国2位になった。かなり英語ができるほうだと自負していた。入試は英語だけではないので第一志望の大学には蹴られたが、ほとんどの日本人が英語の勉強を続けられない中、続けられれば絶対にできるようになると確信していた。大事なのは能力ではなく、継続できるかどうかの一点だった。

大学に入って英語を読む機会が増えた。書く機会も。いろんな文章を読むのは楽しいし、その点で言えば授業はまったく苦ではなかった。英語を話したり聞いたりしなければならない外国人の先生の授業を除いては。全国2位なのに話せないし聞けない。私は英語ができない組に分けられることになった。

英語ができる人たちは話していたし、先生の発言を正確に聞き取っていた。打ちのめされた。どう勉強すればいいのかわからなかったし、英語ができるようになるための本はもっぱら「入試対策」だった。対策と勉強は違うということを体感した。

34歳から話せる聞ける勉強をスタートし、ようやく40歳を超えてから自信ができた。かなり苦労したぶん、生徒たちには入試だけの英語から脱却してほしいなと思って英語指導をしてきた。英検などの対策は絶対にしないと決めたが、それでも生徒たちは準1級だの1級だのに合格した。

終了後、先生方が控室にいらっしゃったりメールをくださったりした。10年ぶりに私の話を聞いて初心を思い出しましたとおっしゃる先生もおられた。入試に合格するための指導は進路保障という点で大切だけれど、それだけでは予備校の先生方とどう違うのか。学校では社会に出るための準備をしているのである。それを思い出していただければと願って、心を込めてお話し申し上げた。

木村達哉

追記
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