2月1日。埼玉県深谷市にある創学舎高校の不登校生徒たちに講演。3年連続3回目である。不登校生徒と書いたが、年齢的に言えば十代ばかりではない。勉強をやり直したい大人の方々もいらっしゃる。精神的な原因で学校に通えなくなった人たちばかりではない。健康面に問題があって通えなくなった人たちもおられる。
会場には約80名が私を待っていてくれた。昨年と一昨年にも講演を聞いた人たちもおられ、開始時にはすでに笑顔になっておられた。元灘校教師という肩書きのせいで、きっと堅苦しい話をするんだろうと思っていた生徒たちも、始まってしばらくするとあちこちから笑いが漏れ始めた。例年どおりである。
参加者には申し上げたのだけれど、自分の人生なのだから自分でデザインすればいいのである。学校には行ったほうが有利だとは思うが、どうしても行けないのであれば自分で努力するより他ないではないか。私の場合、英語を武器にしたが、仮に英語が武器にならないのであれば、他のものを武器にすればいい。
人が違えば武器も異なる。アルク植元君の武器は人並外れたフットワークの軽さと満面の笑みである。もっと言うならあれだけの量を一食で食べられる人を私は知らない。おそらく私より英語はできないだろうが、私が持っていない武器を生かしてばりばり仕事をし、多くの方から高い評価をもらっている。
学校に行っていないというとなんだか駄目人間のように思えるかもしれないが、そうではない。逆に、学校に行っているだけでまったく武器を見つけようとも磨こうともせずに生きている人たちだってたくさんいる。今日の参加者が不登校に対して劣等感を抱くことなく、自分だけの武器を見つけてそれをがしがし磨いてくれるのであれば、私の講演は成功である。
木村達哉
追記
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