2月15日。宜野座村文化センターに舞台演劇「お通夜」を観に出かけた。知り合いの女優(最近は女性でも俳優と呼ぶらしいが)平良直子さんが出演されるということと、そもそもライブが大好きなのとでわくわくしながら車を走らせた。
近くの球場で阪神と楽天の練習試合が行われたこの日、きっと混みますよと平良さんから言われていたこともあり、かなり余裕を持って出かけたところ、開演1時間半も前に到着した。時間つぶしのために本は持っていったほうがいいよと妻に言っていたのに、当の本人が忘れる体たらく。
「お通夜」というからには人の死を扱った舞台である。人の死を扱う演劇は、作家が悪いのか演出家が下手なのかはわからないが、しんみりし過ぎないようにドタバタ喜劇に堕する場合がある。どうしてここでという場面で笑いを入れる。笑いあり涙ありと書かれていても、ほとんどが下品な笑いというものをいくつも観てきた。
ダニエル・ロペス作・演出の本作品はさにあらず、生と死をしっかりと考えさせてくれた。僕はどう死ぬかなと考えていた。ここかしこで目頭をぬぐっている人たちが客席におられた。舞台だけでなく、客席全体がお通夜の会場という設定で、なにより素晴らしかったのはピアノ。詳しくはネタバレになるので書くまい。
それにしてもライブ鑑賞は、それが演劇であってもコンサートであっても人形浄瑠璃であっても、筆舌に尽くしがたいほど素晴らしい経験となる。確かに映画も悪くはない。特撮などは映画にしかできない技術である。しかし、私個人は目の前で生きた人が演じるのを観るのが好きだ。ミスをする俳優やギタリストもいる。だが、それがいい。
明日16日、来週22日、23日にも15時から行われるので、沖縄の方と観光客の皆さんはぜひ宜野座村文化センターで行われる「お通夜」にご参列いただきたく思う。平良直子さんには、すべての「お通夜」が終わったら晩ご飯に誘いますと連絡した。「嬉しいです!」というお返事が嬉しい。
木村達哉
追記
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