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病人の「大丈夫」は信じるなかれ

2025.02.18(火) 10:00

2月18日。妻の体調が良くないので、予定より早く帰ってきた。風邪をひいてから咳が止まらない。本人曰くは大丈夫とのことだが、健康に関しては本人の大丈夫ほどあてにならないものはない。私も子どもの頃はぜん息がひどかったが、親からの「大丈夫か」には必ず「大丈夫」と答えていた。儀式のようなものである。

したがって、本人がどう言おうと周囲が判断しなければならない。後の祭りになってしまったら苦しむのは大丈夫なはずの本人である。その人のことを大事に思うのであれば、病人の大丈夫を信じてはならない。駄目だなと思ったら周りの人間がさっさと動くことである。

私の古い友人がくも膜下出血で倒れたことがある。家族から離れて単身赴任だった彼は、ある夜に脳の異変を、それまでの人生で感じたことのない異変を感じた。自分で救急車を呼び、しばらくは生死の境をさまよったが命を取り留め、今は元気に仙台で働いている。

彼が言うのには、単身赴任でよかったと。もしもあのとき家族と一緒にいたら、妻と子どもたちを安心させるために「ダイジョウブ!」と言って様子を見、結果的にあの世に行っていたでしょうねと笑う彼の言葉に、病人の「大丈夫」を信じるべきではないなと強く感じた。

おかげさまで妻の容体は良くなっているように思う。ひどかった咳もかなり治まってきた。しばらくは付き合わねばならないだろうけれど、夜中に咳が出て眠れない状態は脱したようだ。飛行機を変更して自宅に戻ってきたのは正解だったように思う。最も大切なのは健康に生きていくことである。沖縄はいつでも行ける。

かく言う私のほうも緑内障だのぜん息だので周囲には何度も「大丈夫」と言い続けてきた。還暦を過ぎ、気持ちの上では驚異的に若くて誰よりも元気なんだけれど、そうは言っても周囲を心配させる年齢になった。昭和時代に親から「男がしんどいしんどい言うな!」と育てられた私だが、長生きするためにも無理そうなときには「大丈夫」を封印しようかなと思っている。

木村達哉

追記
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