2月25日。YouTubeを見ていると、英語学習者の初心者はこの手の動画に騙されるんだろうなと、兵庫県知事選で騙された人たちと同じだなと、思うことがよくある。当然ながらYouTubeは再生回数を稼いでカネを稼ぐためだけのSNSである。カネを稼ぐために引きの強い動画を作るのは当然である。

そこを意識しながら見ないといけないのだが、テレビを観るような感覚で視聴する人たちも多い。ゴルフ然り、ダイエット然り。引きの強い動画は、したがって他の人との差別化を図り、嘘をついておられることがある。否、もしかしたら本当にそう思って発信されているのかもしれないけれど。

英語学習の第一歩として文法を無視してくださいと語るYouTubeがいくつかあってうんざりする。まだこの手の粗悪品が跋扈して、企業の後ろ盾を得ることで何万回と再生されている。いい歳をした大人が騙される場合、その人の無思慮を謗ればいいのだろうけれど、小学生や中学生がこれを視なければいいがと願う。

外国語を勉強する際に、自分の指導者が、ルールなど学ばなくていい、音を徹底して学ばなくていい、語句を覚えなくてもいいともしも言ったら、あなたはその指導者から離れたほうがいい。間違いなく伸びないからだ。逆に、たくさん読め、たくさん聞け、たくさん話せ、たくさん書けという指導者にはくらいついていくべきである。

ルールや音や単語は書くに及ばず。そういう指導者は必ず徹底してくれるはずである。なぜならたくさん英語に触れよう、毎日しっかり英語にくっついていようと思ったら、ルールと音と知らない語句とは常に向き合わねばならないからである。

灘校の同窓会で、教え子たちからYouTubeチャンネルを再開するようにと言われた。そうは言ってもサムネイルやら字幕やらを作るのは時間がかかるしなと言うと、自分たちはキムタツさんの指導で英語がこれだけできるようになったのだから、それを発信すべきだとのことであった。教え子からこんなに嬉しい言葉を投げてもらえるとは思わなかった。

書くのが仕事だからねと言うと、教養について、読書について、考え方について、余談で語ってくれたことも含めて発信すればいいのにと言われた。まぁ、そうは言っても上記のとおり、再生回数が何万回ものYouTuberの人たちのように企業がバックについているわけではなく、自分でやるのはけっこう時間がかかるものだからどこまでできるかわからない。やろうかなと思ったときに、ゆるりと再開するとしよう。

それはそれとして、外国語学習に関して言えば、耳に甘いメソッドは信じてはいけない。

木村達哉

追記
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