3月18日。4月から「あること」を始めると書いたところ、「あることってなんやねん」という質問を誰からもいただかなかった。他人には興味がないという素敵な方が増えてきたのか、あるいはどうせ質問してもこんなヤツがまともに答えるわけがないと思う方々が多いのかはわからないが、聞かれても黙っていようと思っていたのでほっとしている。
ご存じのとおり、英語の世界で30年以上生きてきたのだから、英語に関してはそれなりである。文章を読んでいても多少わからない表現はあるもののだいたい理解できる。海外に行くと現地の方や別の観光客と苦労せずに話ができる。本を書いてくれと出版社からオファーを受けるとその日のうちに何ページかは書ける。
ところがたとえば与えられた英文を日本語に翻訳せよと言われると、今度は日本語の表現力が貧弱であることに気づく。受験レベルの和訳であれば苦もない。しかし、オーセンティックな英語を出版できる程度に日本語翻訳するとなると話は違う。理解はできている。なのに日本語にならない。今年の東大入試もそうだったが。
あるいは新聞のコラムにしてもそうだ。要は日本語の文章を論理的に書く、読者をひきつける、良い読後感を持っていただくといったスキルに欠けている。欠けたまま生きるのもいいのだろうけれども、濡れたアンパンマンの顔みたいで座りが悪い。
そんなわけで勉強をすることにした。我流には限界がある。然るべき「大学」へ行って学ぶことにした。今日は説明をしていただき、20分ほど聴講をさせていただいた。それだけでもかなり勉強になった。どうされますかと聞かれたので、お願いしますと言って書類を出した。
毎週必ず課題が出るらしい。分量は授業をされる先生にもよるが、原稿用紙50枚の文章を書いてこいとか、次は3枚以内で書いてこいとかいった課題が通年で出されると説明してくださった方に不安そうな視線を送り続けたのは私である。現在の仕事のペースで課題をこなすことができるのかなと不安になる。
が、一歩踏み出した足をひっこめるわけにもいくまい。
4月からは「学生」である。還暦を過ぎたold studentだが、できる限りの勉強をして自分を深めよう。英語の勉強やドイツ語の勉強、あるいは楽器やゴルフの勉強も手を抜かず、ぐだぐだなりにそれなりの自分を作る人生を愉しんでいこう。
木村達哉
追記
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