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執筆神の降臨

2025.03.23(日) 11:00

3月23日。現在はひたすら『まるまる反復英文法総復習BOOK』の標準編を書いている。締め切りはとうの昔に過ぎ去っているのだけれど、そうは言っても締め切りを守ってクオリティを落とすか、それとも締め切りは多少は(多少というのは便利な言葉である)目をつぶっていただいてクオリティを優先するかという問題が常にある。

Mr. Evineのような猛者ではないにしても、私もやはり「ここまでにお願いします」「わかった」という約束が守れないことが多い。書き始めは良いのだ。もっと書きたい、これは凄い、俺は天才じゃないか、いい本になりそうだぞ等などとβエンドルフィンとアドレナリンが噴出し続け、原稿がどんどん進んでいく。

が、書き始めて一週間から十日も経った頃の私に会いに来てみなさい。まったくの別人に、つまり廃人に、なっている私を発見することができるから。この前の自分はどこへ行ってしまったんだろうと自分でも不思議に思うぐらい、ぱったりと原稿が進まない。一日じゅうパソコンの前にいるのに、ひと文字も書けない日だって珍しくない。

私は信心深い人間ではないが、神が降りてこなければ書けないのである。Mr. Evineやそれ以外の締め切りを守らない作家連中にはいつも同意してもらえるのだけれども、執筆の神がいらっしゃるのだ。その執筆神が降臨してこられるのがわかる瞬間があり、その後は猛烈な勢いで自分でも驚くぐらいの速度で原稿が進んでいく。

そして、めでたいことに、まさに今がそうなのだ。

朝早くから日付が変わる直前までパソコンのキーボードを叩いている。起きたら寝室の隣にある和室でストレッチと筋トレをし、終わったらその場で書き始める。さくらを含む家族が起きてきたらリビングに移動するが、その後もずっと両手は止まらない。調べ物をしては書き、書いては調べの連続である。

いったいいつこの本を書き終わるんだろうと思っていたが、なんとかあと数日のうちに終わりそうだ。一番喜んでいるのは三省堂だろうが、私もようやく神が降りてきてくださったことを喜び、心の底から感謝している。これが終わってもまだまだ書くべきものがある。次作こそ締め切りを絶対に守ってやろう…と今は思っている。

木村達哉

追記
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