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教員不足を解決するためには

2025.04.06(日) 09:00

4月6日。灘校時代は4月8日の入学式まで教員も生徒も春休みで出勤がなく、新入生たちと一緒に出勤したものだ。他校は会議とか準備とかいろいろあるらしいが、いったい何をしているのだろう。私の生徒時代と比べ、明らかに先生は多忙になっているように思うが、特に長期休みがなくなったのは大きい。

私が物書きになるきっかけを与えてくださった中3時代の担任の先生のご自宅に、友人たちと遊びに行ったのもこの時期である。そのH先生と奥様とお子様と一緒にわいわいと橿原神宮の近くのご自宅で楽しんだのは、公務員も4月8日まで春休みだったからである。

教員(公務員)の給与は安いが、その代わりに昔は休みが多かった。部活動の指導で学校がある期間は遅くまで残っている先生もおられたが、16時ぐらいに帰っていく先生も多かった。部活動はもちまわりで、私がお世話になった先生も部活動に毎日いらっしゃったわけではなかった。夏休み中も然り。

ちなみに小学校も中学校も補習などなかった。清掃と終わりの会が済むとみなさっさと帰って行った。放課後に職員室に行くと、先生方は煙草を吸いながら(昔の職員室は喫煙できた)談笑しておられた。理科の先生は準備室にいて、理科部の生徒たちと遊んでおられた。音楽の先生は吹奏楽部の生徒をほったらかして毎日早々に帰っていかれた。

いつからどういう理由で先生方は忙しくなったのだろう。私は早々に帰る先生方を見て、教員になるのも悪くはないなと思ったが、今の大変な先生方を見て子どもたちはどう思っているのだろう。ああはなりたくないと思っているのだとしたら、教員不足は構造が原因である。

卒業生が母校に戻って教員をしたいと言うケースは少なくない。その学校は、灘校もそうだけれど、やはり母校の教員を見て判断しているのだ。先生方が楽しそうなのを見て、自分もここで教員をやりたいと思うのではないか。教員を増やすためには、やりがいを強調してばかりいるのではなく、先生方に余裕を与えることだと私は思っている。楽しそうな、幸せそうな先生方を見て、自分もああなりたいと思う生徒が数年後に教員を志望するのである。

木村達哉

追記
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