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人生いくらでもやり直しがきく…かな

2025.04.12(土) 11:00

4月12日。いろいろな学校から講演を依頼されてほいほい出かけて行く。生来の野良で出不精ときているから、そんなことでもないとずっと家にいる。講演の内容はだいたい先方から与えられる。英語の勉強法を話してくれ、人生を切り開く心構えを語ってほしい、最近では投資や老後のカネについて喋れというものも。

英語の勉強法ならお安い御用なのだけれど、人生のと言われるとやはり立ち止まる。こちらは人生の達人であるわけではなく、むしろ波瀾万丈を地で行く人生を生きてきた。失敗だらけ、挫折だらけの人生である。人さまが絶対に経験できないようなことまで味わってきた。上手く生きてきたわけではない。

ただ、極めて多くの失敗をしてきた人間なのに破綻にまでは行き着かなかったのは、それなりに勉強してきたからだと思われる。小学校時代の授業中はずっと本を読んでいた。内職だと言われるかもしれないが、当方からすればこっちが本職で、授業を聞くほうが内職だという意識だった。褒められた話ではないことぐらい重々承知の助ではあるが。

芸は身を助く。サラリーマンとしてはやっていけないなと思って、奈良の私立学校の採用試験を受けたら採用された。あれがなかったらもしかしたら破綻していたかもしれない。そこを辞めて予備校講師にでもなるかと思ったが、灘校から電話がかかってきた。あれがなかったらとも思う。いつも英語に救われてきた。

この時期になると採用後すぐに退職する若者のニュースに毎日触れる。最近は子どもにいい顔をするオトナが多いので無理しなくていいよと言うらしい。が、前職をすぐに辞めたような人間を採用するまともな企業など存在しないし、その次の会社も1年や2年で辞めるとそこで人生詰んでしまう。

東大卒であろうと何大卒であろうと、あとは給与が恐ろしく低くて、日々体力勝負の仕事しか残っていないことは、親も教師も教えておいてやらないといけないと思う。精神的に病んでしまって立ち上がれないという人は別として、そうでないなら少々しんどくても学校に行く習慣を身につけておくことはかなり重要な意味があると思っている。

退職する場合でも、自分に「芸」がなければどんどん堕ちていく。なにかしらの能力があるならそれを生かしてNext will be better.と思い切ればいいが、そうでなければそこで自分を磨くしかない。若い頃から計画的に磨いてこなかった自分を呪い、そこからでもキリギリスの生活をやめ、アリに生まれ変わらねば破綻する。

講演ではそういう話をすることにしている。話をちっとも聞かないキリギリスたちが多い学校もある。先生方もご苦労されているだろうなと推測するが、彼ら彼女らの人生が破綻しないことを願う。人生いくらでもやり直しがきくとよく言われるが、きくかどうかはその人の能力次第で、ほとんどの場合はやり直せないのである。

木村達哉

追記
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