4月14日。アルクとオンライン打ち合わせ。『まるまる反復英文法総復習BOOK(標準)』の脱稿を待っていたかのように、否、もしかしたら本当に待っていたのかもしれないけれど、打ち合わせを入れるアルク。本を書くのを生業としている身としてはありがたい話である。書くのはしんどいけれど。
小説家にしても、造形作家にしても、自分が創りたくて創ったものは世に出にくいのが現状である。私にしても、私の友人たちにしても、編集者や営業マンからの依頼があって執筆が始まる。そうじゃないもの、つまり書きたいから書いているものもあるが、こんなの書いたのだけれどと原稿を見せても、残念ながら高い確率で出版社に断られる。
小説の場合、投稿雑誌に掲載されている賞に応募して受賞をすれば商業出版されることが多いが、それにしたって出版社が主催する賞でなければほとんど人目にはつかない。なかなかに厳しい世界なのは、何百万もかけて本を出しても売れなければ、出版社にとっては自殺行為だからである。
売れる保証のある本など存在しない。だからこそ、みんなで頭をひねる。仮に今年売れた本でも次の年には数冊しか売れないようでは困る。継続して売れる本を出版社は求める。売れなくても出す価値のある本が出ていた時代はすでにとっくの昔に過ぎ去ってしまったのであるが、なにしろ子どもも大人も本を読まないのだからしょうがない。
今日アルクから打診された本は、自分でけっこうな分量の英語を書かねばならないし、出版時期が秋を希望ということだから6月か遅くても7月には脱稿させねばならないが、仕事があるだけいいと考え、妥協せずに書いていこう。それとは別に、自分が書きたくて書いている本も進めよう。陽の目を見ない可能性もあるけれど。
木村達哉
追記
メールマガジン「KIMUTATSU JOURNAL」を火木土の週3通無料配信しています。読みたいという方はこちらからご登録ください。英語勉強法について、成績向上のメソッドについて、いろいろと書いています。家庭や学校、会社での会話や、学校や塾の先生方は授業での余談にお使いください。