4月19日。来週は茨城県の高校で講演をし、終わり次第その足で山形駅まで移動する。『ユメブン⓪』の共著者である佐藤先生にその旨を言うと「元気ですねぇ!」と。いやいや、ジジイ扱いしてもらっちゃ困る。私の齢でマラソンを走ったりゴルフを毎日18ホールプレーしたりしているのもいる。
講演に関して言うならば、ステージの上で思うことを喋るだけである。子どもに気を遣って笑わせることもなく、毒舌家よろしく口舌を刃を振り回すこともなく、淡々と思っていることを話すだけ。人口減少甚だしく、海外の人たちに経済も政治も頼らねばならない日本なのに、英語を勉強したくないと言うならそれもいいと思っている。
そうは言っても噺家であるから、結果としてはそれなりに評価いただいているようで嬉しく思っている。最近もある学校から講演後の感想文を送られてきたが、生徒たちの声を読むと「今までで一番考えさせられる講演だった」や「ただなんとなく学校に行っているから勉強が面白くなかったのかと気づいた」といった声が並んでいる。よく聞いてくれた証左である。
人生の面白さというのはある程度の年輪を重ねないとわからないのかもしれないなと思っている。私などは生徒時代に極めて苦しい思いをしながら学校に通い(といってもかなりの日数を欠席したが)、なんでこんなつまらない勉強をせねばならないのかと辛い思いをした身である。この歳になってようやく人生が楽しくなった。
大人たちには勉強の意義を話してほしかった。勉強しろと言うのではなくて。だから、自分が子どもたちに話をする立場になった今、あまり押しつけがましく勉強しろと言うつもりはない。勉強するかどうかは自分で決めるべきだ。しかし、勉強の先になにがあるのかは、ちゃんと教えてあげるべきだとは思っている。
元気ですねと言われるほども動いてはいないが、来週はその茨城と山形の学校で講演をし、その次の週は昭和女子大学附属中学校高等学校で何コマ話すのかわからないぐらい講演をする。我が子にも勉強しろなんて言ったことがないのだから、他人に言うわけがない。それより、しっかりと人生を幸せに生きられる術と業と思考を身に付けてほしいと願っている。
木村達哉
追記
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