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質より量

2025.04.20(日) 10:00

4月20日。『まるまる反復英文法総復習BOOK(標準)』を脱稿させた私だけれども、おかげさまで執筆の依頼を頂けたので毎日粛々と文章を書いている。書いた文章をAIに「ネイティブチェック」させるが、AIが正しいとは限らない。すべては自分の知識と辞書が頼りである。AIはけっこう有能なアシスタントだが、辞書にはかなわない。

完成した原稿を共著者の先生に送る。以前はメールで送っていたが、今ではMessengerで送ることができる。LINEの場合は情報が洩れる可能性があるので重要な書類を送るのは憚られる。Messengerのいいところは原稿についてリアルタイムでチャットができる点で、ここはいいねとか、あそこはこうしたいとかワーワー言いながら原稿を手直しできる。

この新刊がいつ出るのかは版元次第だが、今のペースでいけば5月中には脱稿できるのではないかと自分に期待している。300語から400語から成る英語の文章を何十と書き起こすのはそれなりに苦労はするが、新聞や雑誌の記事やコラム、街中で見かけた貼り紙や喫茶店の中に掲げられてあるサンドウィッチの起源を説明するパネルなどにヒントを得て、読んでよかったと思ってもらえる文章を書くよう心掛けているのである。

英語を毎日書いていると自動的に話す力が上がっているのに気づく。そりゃ「書く」も「話す」も同じアウトプットなのだから当然なのだろう。日本人は英語を読んだり書いたりはできるが、聞いたり話したりはできないと伝統的に言われてきたが、さにあらず。読んだり書いたりできないから聞いたり話したりができないのだと、今ならわかる。

構造分析をしながらでないと読めない。SVOCやスラッシュなどを書き込まないと読めない。設問がないと読めない。文法を知らないので書けない。書いた文章は部分点ぐらいしか期待できない。この程度の学習者が英語を聞いたり話したりする、つまり英語を実際に使用場面で使えることはあり得ない。

それを思うと、読むと書くは大事だなと思う。私のような仕事は特殊としても、英語学習者は特に読む量と書く量を増やすべきだと思われる。質は大事だが、量はもっと大事である。加えて、必ず量は質に転化する。

この後、いろんな学校での授業を依頼されているが、英語の授業の折には量の大切さについて話そう。いくら勉強しているつもりでも、量が足りないと伸びないということは英語初心者に伝えるべき最も重要なことである。さて、私も文章をたくさん読み、圧倒的な量を書こう。

木村達哉

追記
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