昨日（23日）は沖縄の慰霊の日でしたね。沖縄戦でお亡くなりになった方々を追悼する日で、沖縄県内の市町村では、学校や役所を含めてすべてお休みとなります。僕は用事があったので沖縄に戻れませんでしたが、甲子園から祈りをささげておりました。

沖縄の高校を訪問し、戦争や基地について語ると先生方が驚かれます。理由をお聞きすると、先生方が生徒たちにそういった話をすることはなかなか困難だと仰います。しかし、学校こそ沖縄戦がどういうものだったのかとか、どうして米軍の領土がまだ沖縄にこんなにあるのかとか、どうして沖縄の人たちの年収が東京の人たちより平均400万円も低いのかとか、いろんな事情を説明してやらないと生徒たちはわからないじゃないですかと申し上げると、下手なことを言うと学校の電話が鳴りやまなくなるからとのことでした。

唖然としました。

右や左に偏り過ぎるのはともかくとして、戦争でどういうことがあったのか、どうして日本人が日本人を殺すことになったのか、米軍は戦争時にどういう行動をとっていたのか、それに対して日本人はどう反応したのか、確かに平和祈念公園資料館に行けばすべてわかると言えばわかるんでしょけれども、先生方が学んできたことを正しく伝えないと、伝わらないものです。

そのために、私たちは学ぶのですから。

学校こそ、戦争について、基地について、あるいは沖縄のさまざまな問題点について、生徒たちに考えさせる機会を与えなければ、いつまで経っても沖縄から基地も貧困もなくならないと思います。で、先生方が話せないのであれば、僕が話すしかないなと思い、いろんな学校で「どうして僕たちは学ばねばならないのか」について話をさせていただいているのです。

来週は１か月ぶりに沖縄に戻ります。興南高校から来てほしいと言われているので、喜んで行かせていただきます。本当は那覇西高校にも行く予定だったのですが、コロナ禍で延期になりました。僕は沖縄が大好きです。海も空も風も匂いも、そして人も。沖縄の現状をみんなが真剣に考え、もっともっといい県にしていくためにも、正しく知ることは大切だと考えています。

木村達哉拝