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教員志望者減少のニュースを読んで

2021.06.29(火) 07:50

教員のなり手が減少しているんですって。まぁそりゃそうでしょうね。この「しっかり休みましょう」の世の中で、「生徒のために必死に働きましょう」と土日も昼夜もなく働かねばならない仕事ですからね。帰宅しても採点の束があって眠れないし、早朝に生徒の親から「学校に行きたくないって言ってる」などと連絡があったりもする。優秀な人たちが選ぶ職業ではないと思います。なにより一部の私学を除けば、給料が驚くほど安い。

特に公立の教員が私学に移る流れが顕著になっています。地方はまだ公立が強い場所もありますが、それぞれの県でそれなりの立場にいらっしゃる先生が私学に移る事例がかなり多くなっています。やりがいという点もあるでしょう。加えて、給与面などの待遇がぜんぜん違うという理由が考えられます。

公立の先生になりたい人が減っているということですので、解決策としては優秀な人材が流れるようにすればいいと思うんですけど、国はそうしないんですね。僕が首相なら、公立の先生方の給与を現在の1.5倍にします。教員の平均年収を1千万にすると、おそらく大学を卒業する際に「教員になってもいいな」と思う人材は増えると思われます。

言うまでもなく仕事のやりがいって大事なんですけど、とりあえず人を集めないとやりがいもへったくれもないわけですよね。この組織ってやりがいがありますよ!といくら言っても、でもあまり人がいませんということになると、ひとりに課される仕事量が多くなって、やりがいはあるけど疲弊しています!という、まさに現在の教育現場になってしまいます。

そうすると、やるべきことは、①人を増やすこと。そして②(プロなのですから)仕事量に合った給与を支払うこと、さらには、③県がやっているようなつまらない研修会なんかではなく、成長できるプログラムを与えて、教員の自己実現を図ろうとすること、などが対策としては考えられます。

現在は、①②③のどれもが駄目駄目です。
①人が増えない、②仕事に合った給与とは言えない、③つまらない研修会で時間が奪われて疲弊している…という状況ですので、そりゃ教員になりたい!という子どもはいても、実態を知れば「やっぱりやめときます」ということになるはずです。

人口がどんどん減少する国です。資源もありません。しっかりと教育に予算を投入し、人を育てないと40年後の日本は完全な難破船となります。多くの若者が教員になりたいと思えるような改革こそ、最も重要な教育改革なのではないでしょうか。

木村達哉拝

(追記)
久しぶりに小説の続きを書きました。小説を読むのが好きだという方はよかったらお読みください。連作短編になっています。楽しんでいただければ嬉しく思います。こちらです。よかったら、ハートマークへのクリックとキムラタツヤへのフォローをお願いいたします。