この写真はジュンク堂書店那覇店さんなのですが、僕の近著を平積みで置いてくださっていて、嬉しく思うと同時にほっとしました。だって自分の本が置かれていないとがっかりするじゃないですか。意外と多いんですよ。このコロナ禍になって、出版社の営業を断る書店さんが多くなりましてね。営業マンが「こんな本が出ましたので置いてください」と書店さんにお願いすれば、多少は置いてくださるところもあるんです。
本が自動的に書店さんに送られてくるわけでもないし(そういう場合もないわけではないが)、書店さんが出版社に「キムタツさんの新刊を10冊送ってください」と注文を出してはじめて僕の本が書店さんに届くことになるんです。したがって、著者と言えども書店さんに「いや、実はこれこれこういう本を今度出しますので、よろしくお願いします」とご挨拶に行くのです。そうすると、もしかすると置いてくださるかもしれないということになります。
置かれたからと言って売れるわけではないのです。売れなければ「これ駄目だね」と判断されて、出版社に送り返されることになってしまいます。僕などはご挨拶にお伺いした書店さんに後日もう一度ご挨拶に伺い、責任を持ってせめて1冊は買うようにしています。でないと、書店さんにご迷惑をおかけすることになりますからね。買った本は知った方にサインしてプレゼントするのです。皆さんもよかったら書店さんで買ってください。僕の本。皆さんが買ってくださることで、作家は生きていけます。
昨日のポストで首里のすけさんについて書きました。彼と話しているとき、たまたまジュンク堂書店那覇店さんのバックヤードに演出家の出口裕子さんがいらっしゃいました。ミュージカル「ライオットキング」のポスターを持っていらっしゃって、コロナのせいで延期が続いていたのですが、ようやく7月25日に開催できることになりましたとおっしゃっていました。
ミュージックタウン音市場(沖縄市)であるのですが、ホールはオールスタンディングの時には1100名が、イス席の時は489名が収容できます。ポスターによると「ライオットキング」は240席限定と書かれてあります。つまり、だいたい半分ほどの収容ということですね。これは大変ですねと申し上げると、そうなんですけど、とりあえず開催できればと思っていますと出口さんが。
僕らのような作家が本を出したり、首里のすけさんや出口さんのような方が舞台を開いたりすると、動きが普通の勤め人より派手になりますので、なんだか儲かっているように思われます。実際、自分も本を出したいという方が何人も僕にご連絡をくださいます。でも、実際のところ、やめておいたほうがいいですよと申し上げています。大赤字になりますよと。モノづくりの仕事は、実は作って終わりというわけではないのです。作った人自身が売らねばならないのです。それはYouTubeチャンネルにしてもアプリにしても同じですね。
このコロナ禍が少しでも収束に向かい、イベントを開きやすい社会状況になることを心から願っています。それはそれとして、沖縄にお住いの方でミュージカルに興味があるという方、「ライオットキング」で検索してみてください。7月25日が空いているという方、よろしくお願いします。ちなみに僕は8月15日、ジュンク堂書店那覇店さんでイベントを開催しますので、そちらもよろしくお願いします。
木村達哉拝