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モチベーションを上げるために

2021.07.23(金) 10:20

選手たちはきっと待ちに待ったオリンピックですね!って、僕はすみません、自分のことで精いっぱいなのでテレビを見ないと思うんですけど、選手の皆さんには楽しんでもらえればなぁと思っています。楽しむためには勝たないといけないけど。負けましたが楽しかったです!って言っている人でも、しっかり練習をしてきた人であれば悔しさだけが残るはずです。練習をそれほどしてこなかった人であれば、負けてもなんとも思わないでしょうけどね。

なので、選手の皆さんには勝ってもらえればなぁと思っています。勝てないと楽しくないので。

講演では常に質疑応答があるのですが、モチベーションが上がらないことに対する質問が非常に多いのです。どうすれば上がりますかというようなものが、です。勉強のモチベーションを上げるためには、ある程度のレベルアップをしないとやる気にはならないでしょうねと答えます。たとえば点数が低い子が「点数は10点しかないけど、モチベーションは上がりました」とかありえないじゃないですか。100点満点で80点程度の子は、20点が気になりますので、次のテストではそこを埋めようと思うかもしれません。が、10点だとそもそも何をやったらいいのかさえわからん子だっているはずです。そのレベルではモチベーションは上がりません。

オリンピックの選手が「モチベーションを上げるには?」と言うことは普通ありません。レベルが高い人であればあるほど、もっと高くまで!もっと遠くまで!と思うものです。一方、100メートルも走れば息が切れるという僕みたいな人間の場合、もっと走れるようになりたい!と思うよりもまず、楽に走れる方法ってないのかなぁと思います。楽をすることを考えると、普通はもうそこでアウト!です。

英検2級レベル(つまり『新ユメタン①』レベル)の単語を覚えることもできない人の場合(つまり、九九を覚えるのと同じことをすればいいのに、それさえできない人の場合)には、そもそももっとできるようになりたい欲がないので、指導者が徹底して口の中に単語や熟語を吐くほど詰め込むか、あるいは自身が将来を考えて「やっぱ勉強しよう」と思うか、どちらかしかないでしょうね。

前者ではなく、後者の自分の欲と習慣を主体的に作っていくのが効果的です。指導者が口に詰め込んでいくやり方だと、我慢強い生徒の場合はそれなりに伸びますが、逆に言えばそれなりにしか伸びません。普通は気持ちが拒否し始め、やっている(実際には「やらされている」)のに数字は上がらないという現象が起こります。その点で、やはりモチベーションに関して言えば、そもそも自分はどう生きるのか、英語は要るのか、数学は要るのか、歴史はどうなんだというところをしっかり考えて、要るなぁと思うのであれば、そこがスタートラインとなるでしょうね。そして学力のレベルが上がるにつれて、モチベーションも上がってくるはずです。モチベーションが低いから学力が低いのでしょうが、実は逆もまた真なりで、学力が低いからモチベーションも低いのです。

木村達哉拝