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Magic Fails

2021.08.14(土) 07:50

mentalist(メンタリスト)という英語は「メンタル系の手品を行う人」というような意味で、日本で一番有名なのはMr.マリックさんではないでしょうか。「読心術者」という意味もありますが、胡散臭いニュアンスが伴いますので一般的には使いません。前川先生のFacebookを見るまでは、僕もそのメンタリストさんが差別発言をされているのを、というよりもそもそもその方自身も存じ上げなかったのです。かなり酷い発言で、今後はテレビなり執筆なりの仕事が消える案件でしょう。

ご本人はYouTubeで頭を下げておられるそうですが、公的に謝罪したわけでもないですし(自分のYouTubeやTwitterで謝るというのは、自分の部屋の中で謝るようなもの)、故意に炎上させて再生回数を増やしておられるのだ=お金稼ぎのために謝るふりをしておられるのだと取られてもしかたないでしょう。いずれにしても、まだお若いのに、タレントとしては終わりですね。

いつも思っていることですが、政治家にしてもタレントにしても、「発言を取り消します」と言うじゃないですか。でも、一般的には一度口から吐いた言葉を取り消すなんてことはできません。特に今回のような世界的に配信されてしまった差別発言を、すみません、あれは無かったことにしてください等と言ったって、誰も耳を貸しません。言葉は重いのです。なぜなら言葉はその人の思っていることが具現化したものだからです。それを消したところで、メンタリストさんの心の中は差別思想でいっぱいなはず。それが問題なのです。

若い人たち(だけじゃないけど)は、言葉って消せないんだなぁってことを知っておいていただきたい。お馬鹿な政治家の真似をして、「発言を取り消します」なんて言うことのないように。発言は取り消せないのです。撤回などできないのです。その発言のためにすでに誰かが傷ついているのです。もしかしたら命に関わるような事態に発展しているのかもしれないのです。加害者側が「なかったことにしてくれ」なんて虫のいいことを言うことなどできないのです。

言葉は思いです。思いが言葉になるのです。仮に、仮に言葉をdeleteボタンを押すが如く取り消せたとしても、思いが消えたかどうかなど誰にもわからないのですね。だからこそ、言葉を消すことなどできないのです。受け狙いで軽口を叩き、それがとんでもないことに繋がることだってあります。言葉は思い、そして言葉は重いんだなと、思っていてください。それにしても、メンタリストさん、今回のmental magicは大失敗でしたね。マジックは人を笑顔にするためにやるものです。

木村達哉拝