福島県の子どもたちが沖縄で組踊を演じているのをご存じでしょうか。現代版組踊「息吹〜南山義民喜四郎伝」は、2010年に福島県南会津町で初演されて以来、10年以上活動を続けていて、普段は福島県内で毎年2回ほど公演を行っているのです。現代版組踊という舞台ジャンルは1999年に沖縄で生まれたのですが、「息吹」は沖縄県外で初めて生まれた現代版組踊作品。
震災の翌年に「息吹」が初めて沖縄公演を実施して以来、沖縄との縁を深めていて、沖縄の子どもたちが福島へ行って「息吹」に出演したり、逆にチーム息吹の子どもたちが沖縄の現代版組踊作品に出演したりなど、交流を続けています。
南会津、会津若松、喜多方、猪苗代、金山町の子どもたちが出演。沖縄の子どもたちも出演します。興南高校の実習助手の先生が実行委員長を務めていらっしゃる関係で、僕もこの「息吹」の存在を知ることとなりました。感染対策の一環で、400人しか入れずに行われるのです(キャパは1500人)。
子どもたちによるステージというので、学芸会や演劇コンクールを観るような気持ちで座席に座りました。「息吹」と書かれたTシャツを着ているのは保護者の方々でしょうか。12時半になりました。ステージの袖から数名の子どもたちが登場し、スマホやマスクなどに関する注意があります。そして、いよいよ「息吹」が始まりました。
今後、「息吹」をご覧になる方々のために詳細は書きません。しかし、これだけは。学芸会などと言うようなレベルではない。魂のこもった素晴らしい舞台を観ることができました。喜四郎が代官に斬られる場面から、涙が止まらなくなりました。最後の最後まで、子どもたちの舞台から目が離せなくなりました。いや、本当にあれは子どもたちだったのか?
皆さんもよければ「息吹」で検索していただき、機会があれば是非ご覧ください。沖縄に来ているタイミングで、「息吹」の沖縄公演があって本当によかったです。福島の子どもたち、沖縄の子どもたち、そしてスタッフの皆さんに心から感謝しています。
木村達哉拝