北海道旭川市でお亡くなりになった中2女子生徒のニュースに心を痛めています。いじめた生徒が悪いのは言うまでもないとしても、学校の先生方がしっかりと対応していなかったのが悪い。報道によるとお母さんの訴えに「いじめではない」と教頭先生なり担任の先生なりが答えたとのことですが、いじめかどうかは被害者が決めることであって、第三者である教員が決めることではない。本人や保護者がいじめられていると言うのであれば、それはいじめなのです。
そういう認識もなかったとすれば、申し訳ないけど組織が機能不全に陥っているということなので、校長先生以下、関与した先生方は皆さん懲戒ものではないかと思われます。人の命をなんだと思っているんだ。頭の悪い人間、論理的に考えられない人間が教員なんかやるんじゃない。
えらそうに語っている僕も若い頃は未熟な教員で、いじめに関する意識があまり高くありませんでした。しかし、僕の上司の先生がよかった。「木村はん、そんなもん、被害者がいじめられてるって言うんなら、加害者がなんと言おうと周囲がどう思おうと、それはいじめや」と教えてくださいました。
ちなみに僕も管理職だった副校長からひどいいじめを受けていたので、その上司にそれを訴えました。そうするとその先生はにやっと笑って「そのカードはもうちょっと長いこと持っておいて、使えるときに使ったらええねん」と仰いました。使うことはなかったですけどね。それに、僕自身が27歳のときに部長職に就きまして、それ以後は副校長からのいじめもなくなったので。
いろんな学校でいじめに関する研修が行われているはずです。なのに学校の不手際で人が亡くなった報道が流れると心が痛みます。先生方にも言い分はあったんだろうという人もいらっしゃるかもしれません。しかし、現に生徒が命を落としているのです。
こういう事件でもなければいじめに対する意識が高くならないようでは困ります。普段から教員はアンテナを敏感にしておかなければ、第2第3の彼女を生み出すことになってしまいます。そして、こういうことがあると、通信制の高校の存在がクローズアップされるのです。最近は通信に行く子が多くて困るねと嘆く教員が多いのですが、みんなが安心して通える学校を作っていかねばなりません。
木村達哉拝