伊丹空港から仙台空港行きの飛行機に乗り込んだのが、朝8時前です。窓から外を見ながら、あの巨大な地震と津波から10年が経ったんだなぁと、今さらながら当時のことを思い出していました。津波が沿岸に押し寄せたとき、僕は職員室にいました。誰がテレビをつけたのかわかりませんが、とにかくテレビがついていて、多くの教員は採点をしていました。
のちに福島に移住することになる前川先生と一緒に、テレビ画面から流れてくる光景に息をのみ、食い入るように見つめていました。歴史的な災害の様子を目に焼き付けていました。
あれから10年。それまで東北に行ったことがほとんどなかった僕ですが、翌年にチャリティーセミナーを開催し、現在にいたるまで年に数回足を運んでいます。年間に5回計算として、10年間で50回ほどは東北を訪れたことになります。けっこう来てるなぁと思いながら、仙台空港に降り立ちました。
今日は原町高校さんで、『新ユメタン』を使ってくれている全校生徒たちに話をしました。生徒たちの反応が非常に良くて、本当に話しやすかった。こういうのは福島の生徒たちだなぁと、これまた今さらながら。廊下で会う全ての生徒たちが「こんにちは!」「キムタツ先生、ありがとうございます!」などと気持ちのいい挨拶をしてくれます。
なんで英語を勉強するのか、どうして数学を勉強するのか、歴史はどうなのか、なんで大学に行くのか、そういったことを深く考えることが大事で、理由が見つからないなら更に深く深く考えようと話しかけました。理由のない努力が継続できるわけがないからです。
お世話になった先生方には感謝しています。福島をはじめとする東北の皆さんが、自分が幸せになるために、そして他の人たちを幸せにするために、しっかりと学ぶきっかけになればいいなと願いながら、心を込めてお話をさせていただきました。
木村達哉拝