『東大英語リスニング』が出したかったのです。僕が30歳頃の話です。東大向けのリスニング本が一冊もない状態がずっと続いていました。今は赤本なども出ていますが、僕が出すまではそれすらなかったので、当時はニュース英語を聞いている東大受験生が圧倒的多数でした。『東大英語リスニング』を出し、東大卒業生ではない僕が「東大な人」に選ばれ、東大生が使う全教科の参考書でもっとも役に立った1冊に3年連続で選ばれました。
が、その後、東大のリスニングが少し変化しました。選択肢が5択になりました。放送される英語がアメリカ英語だけではなくなり、イギリス人やオーストラリア人の英語もミックスされて使われるようになりました。
今日、『新・東大英語リスニング』を出すことになりました。今までの『東大英語リスニング』とどう違うのかというと、大きい点は2点です。上に書いたとおり、東大の英語が変わりましたので、それに合わせる形にしました。
・選択肢を5択にした。
・アメリカ英語・イギリス英語・オーストラリア英語で収録した。
したがって、東大入試のリスニングにかなり近くなったのではないかと思っています。東大のリスニング模試が10回分収録されています。
今までの『東大英語リスニング』とスクリプトは同じなんですかと、すでに新しいのが出ることを知った東大受験生から連絡を頂戴しましたが、今までのスクリプトが半分、新しいスクリプトが半分というところでしょうか。上に書いた選択肢5択と英米豪の英語収録に関しては完全に新しくなりましたので、今までの『東大英語リスニング』とはまったく違う選択肢なり音声になっています。
東大は毎年8000人ほどが受験しますが、この本は毎年6000冊ほど書店さんで買っていただいています。本当に作りたくて、当時は受験英語に関わっていなかったアルクさんに頼み込んで出していただいた『東大英語リスニング』です。今回、こうして新しくなり、また多くの東大受験生たちに使っていただけることを嬉しく、また誇りに思っています。
木村達哉拝