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A New Type of War

2021.09.11(土) 06:00

A new type of war.という男性の声が悲しい。あれから20年が経ちました。ちょうど僕は岡山にいて、ある企業の編集者と打ち合わせをしていました。当時はスマホなどなく、動画を手元で視ることができなかったんです。映画みたいなことになってる!と連絡を受けたときも、まさかあんなことになっているとは露ほども思いませんでした。今ではYouTubeで「9.11 movie」などと検索すれば、生々しいシーンを視ることができます。A new type of war.という声が僕の脳を支配しています。

ご存じのとおり、アフガニスタンからアメリカ軍が撤退し(つまり戦争で敗退し)、Another type of warが起きています。そんな中、気になるニュースが流れています。日本の新聞ではほとんど報じられていません。

多くの国々は、何か月も前から自国民とアフガン人の救出作戦を練っていました。日本政府もアフガンに残っていた日本国民や日本関連の諸機関で働いていたアフガン市民たちを救うために、航空自衛隊の輸送機3機と政府専用機1機、隊員(およそ300人)をカブールに派遣しています。約500人を救う計画が練られていました。

今回のアメリカ敗退は、アメリカ国内だけでなく、アメリカの同盟国でも深刻に受け止められています。同盟関係にも悪影響を及ぼしてしまうことは避けられません。アメリカが失敗し、タリバンが息を吹き返したために、多くの人たちが危険にさらされるだけでなく、自国の軍隊をアフガニスタンに派遣することになったのですから。

さて、それはそれとして8月末の時点で多くの国々が人々の救出に成功しています。報道されている救出人数ですが、イギリスが1万5000人、ドイツが5400人、オーストラリアが4100人、フランスが3000人、そして日本は…1人でした。

これについて、政府もメディアも口をつぐんでいます。あまりにも恥ずかしいからなのか、政局やコロナ禍のほうが視聴率が取れるからなのか、そのあたりは定かではありません。僕自身もまだ不勉強で、自衛隊法を改正しなければならない状況だったからなのか、それ以外のなにかが原因なのか、わかっていません。ただあるのは1人という数字です。

これについてどう考えるかは人によって異なりますが、知っておかねばならないのは、この数字は世界に報道されている数字であるということです。世界中の人々がイギリスは1万5000人を救出したのに対し、日本は自国民1人しか救出できなかったことを知っています。この数字がどういう影響を及ぼすのかを考えてみることは、SDGsについて考えるのと同様に、今後の日本にとってはかなり大切なことです。

あれから20年が経ちました。20年経って、新しい局面を迎えました。アフガニスタン問題は宗教と政治が複雑に絡み合っていますので理解が難しいのですが、少なくともアメリカの軍事的庇護下にある日本の国民だからこそ、このanother warの第三者ではいられないと思っています。

木村達哉拝