今日はNHK文化センター梅田教室で講演をさせていただきました。参加者は32名(オンラインが大半でしたけどね)。「子どものやる気を育む親になるには」という演題でした。参加者の多くは親御さんでしたが、中には学校や塾の先生方もいらっしゃったようです。ありがとうございました。
やる気を出すって言いますが、まずは有るのか?というのが問題ですね。ポケットの中の500円玉を出してみてください。ないよという方、出せないですよね。やる気だって、ないよという人は「出せ」と言われても出せないのです。だから、親にしても教員にしても、そもそも勉強するのかという意思確認はしないといけません。教員の場合だったら面談ということになるんでしょうけど。
それで、勉強するとこういう人生になる(逆に言えば、勉強しなければこういう人生になる)というところを理解した子どもが、それじゃあ勉強した方がよさそうだなということになれば、それがスタートラインになります。勉強する理由もわからんという状況では、勉強を始めたところで挫折しますからね。多くの人たちが元旦に「今年はあたしゃ英語をやりまっせ!」とフェイスブックなんかに書いて、でも大半が挫折するのも同じです。理由もないのに努力できません。
じゃあ勉強した方がよさそうだなと思った子どもは(大人にしても同じですが)勉強を始めます。が、その程度ではモチベーションが続かないはずです。当初の「勉強した方がよさそうだな」的な気持ちは薄れ、徐々に楽しそうな方向に向いていくからです。特にゲームやネットサーフィンができる環境にあると、そちらに流れていきます。
親や指導者は気持ちが持続するシステムを作らないといけません。親がそこまでするの?というご意見もあるでしょうね。でも、学校の教員だってそこまでするの?放っておけばいいのにと言われるんですよ。親も教員も(もちろん週1回しか出会わないような塾の先生も)誰も子どものやる気を持続させるシステムに興味がなく、単に「がんばれ」だの「やればできる」だのといった無責任な言葉だけを投げ続けるのでは、子どもたちもどうしていいのかわからないんじゃないでしょうかねぇ。
ということで、今日はその「気持ちが持続するシステム」について、かなり具体的にお話をさせていただきました。参加してくださったたくさんの皆さんに感謝していますし、多少でもお役に立った部分があれば幸甚の至りです。
木村達哉拝