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リスニング力を高めるために

2021.09.23(木) 09:00

今日はラーンズ(ベネッセコーポレーションの子会社です)主催のセミナーがありました。リスニングとスピーキングの力をどのように伸ばすのかというセミナーです。400名ほどの方々がお申し込みになっていらっしゃいました。オンラインなので、そのうち何名がログインされたのかはわかりませんが。さらに録画したものを後日視聴するという形のお申し込みもあるそうですので、まぁおそらく400名に近い方々がご視聴されるのではないかと思われます。

質疑応答で、リスニングの力を伸ばす際に一番大事なことはなんですかというものがありました。「一番」と言われると難しいですね。僕の場合、34歳で灘校に赴任したときにはリスニング力はほとんどゼロでした。まったく聞き取れませんでした。だってそういう教育を受けてきていない世代ですからね。どうやって勉強していいのかわからないので、適当にカセットやCDを聞いているだけでした。当時はシャドーイングとかオーバーラッピングとかいった専門用語は学校にはなかったんです。灘校の教員になってから、いろいろ考えてリスニングとスピーキングの力を伸ばしました。

リスニングにとって一番大事なものはなにかと聞かれれば難しいのですが、3つと言われれば答えられます。1つと言われれば「継続すること」になりますが、まぁそんなのは皆さんわかっていらっしゃいますからねぇ。

リスニングに関して、「続ける」以外の3要素があるとすれば、次の3つです。わかりやすい言葉で書きます。小学生も読んでいるブログなので。

1.相手が話したことがわかる程度に言葉をいっぱい知っている。
2.普段からネイティブの発音を真似て、英語を口から出している。
3.相手が話したことを文字にされるとわかる程度に読む能力がある。

この3つでしょうか。1については、スペリングはどうでもいいので(リスニングに関して言えば)発音と意味を知っておかないといけません。たとえば、remainという単語は「リメイン」と読みますね。もしこれを「リマイン」だと思っている人は、ネイティブが発したremainが聞き取れないでしょう。発音は大事です。普段から単語を覚える際には音を聞く習慣を身につけねばなりません。発音記号は便利ですが、記号で音を覚えていては駄目です。

2はオーバーラッピングとかシャドーイングとかいったトレーニングをすると解決します。が、それにしても、週7日のうち2日や3日しか音読トレをしていないというような人が、リスニング力を上げることはないように思います。最低でも365日のうち、350日ぐらいは(しんどい日は10分でも20分でもいいので)声を出したいところです。

3は説明の必要もないでしょう。読みもできないのに聞けるわけがないです。生まれてからずっとその言語を使っているようなネイティブの場合は異なりますが、われわれ外国人の場合、後天的に学ぶことが多いように思います。その場合だと、まずは読めるのかが大きい要素になります。

単語を覚えたり読む力を高めたりすることも、リスニングにおいては大切な要素です。特に受験生の皆さんは、機械的に流し聞きをしていてもリスニング力は上がりませんので、上に書いたことを参考にして続けていってください。

木村達哉拝