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個人の力

2021.10.12(火) 06:30

なんだかんだ言って勤め人が一番気楽でいいんですよねと言う人がけっこうたくさんいらっしゃって、まぁそういう要素もあるのかもなぁと思うこともあるんですけど、でも勤め人は自由度がかなり低いんですよね。自由を取ると不安定になるし、逆に安定を取ると自由じゃなくなります。最近はフリーターという言葉があまり使われなくなりましたが、フリーターって自由人じゃないですよね(むしろもっとも不自由人かもしれない)。

大企業に勤めていると安定度はかなりありますが、ものすごく働く(働かされる)ことになるので、僕のようなぐうたら人間には無理です。子どもの頃から企業で勤めることはできないなぁ、誰かの言いなりになるなんてまっぴらごめんだなぁ、と思い続けてきました。教員になればある程度は自由に生きられるかなぁと思いましたが、まったくそんなことはありませんでした。朝早く起き、眠い目をこすりながら職場に行き、ストレスマックスで仕事をし、そして夜遅くまで働くことになりました。子どもたちのためにという欺瞞に満ちた言葉のために、自分の子どもの面倒をろくに見ることができず、因果な仕事だなぁと思っていました。

今は仕事や働き方が多様化していますね。とてもいいことです。以前はYouTuber(ユーチューバー)に対する偏見もありましたが、YouTuberがテレビに出たりして認知度は上がりました。IT系に対する意識もかなり変わりました。むしろ日本はIT技術が恐ろしく遅れているので、これからは「東大卒です」よりも、卓越した技術を持った人がかなり大切にされるはずです。また、その意味では全教科偏差値60の人よりも、1つ抜きんでた能力をもった人、他は駄目だけど1つだけ偏差値90という人が重宝されます。

子どもたちがみんな昭和時代の価値観を押し付けられて「大学を出たら就職」と言い出すと、この世からクリエイターがいなくなってしまいます。作家になりたい人はオンラインで文章を書いていけばいいし(紙の本はもう新しい作家には出せない)、プログラマーは自分で会社を立ち上げて必要なプログラムをどんどん作っていけばいいのです。YouTuberは相当不安定なので大変だとは思いますが、本当にクリエイターとして一流なのであれば素晴らしい仕事です。もちろん企業に所属している作家やプログラマーやYouTuberもたくさんいらっしゃいますし、それも悪くないとは思いますが、不自由でしょうね。

先日、ある学校で「メディアクリエイターとして生きたいが、親に反対されている。どう思うか」という質問を、ある男子生徒に投げかけられました。どうして親が反対しているのかはなんとなくわかるが、君の人生なので好きに生きなさいと答えました。親のロボットであってはならない、と。親の言うことを聞いてばかりいると、親を超えることはできず、自分の人生を生きることができなくなる、と。むしろ、親の価値観を疑って生きなさい、と申し上げました。

親は昭和時代から生きてきたのです。だから価値観が昭和のままという親がかなりの大多数です。灘校時代、平気で「医師になれば金持ちになれる」なんて時代錯誤なことを言う人がいらっしゃいました。いつの話ですかと言いたくなりますね。子どもたちは新しい価値観を持って生きていくべきで、すでに大企業に就職したらそのまま死ぬまで安定感に包まれて生きていけるなんて時代ではないし、社会状況をよく見てもらうと、安定企業など日本にはほとんど存在しないことが理解できるはずです。

となると、じゃあ個人はどういう力を身につけるのかを考えなければなりません。なんとかなるだろうと吞気に構え、若い頃からの努力を怠ると、日本人が激減し、多くの企業や私学が倒産するであろう今から20年後には地獄のような目に遭うかもしれませんね。年金制度は間違いなく(賦課制度が続くのであれば)破綻するでしょう。すでに昭和時代の気楽なサラリーマンは存在しません。個人の力、それがすべてなのです。

木村達哉拝

追記、
新しいYouTubeチャンネルを立ち上げました。できるだけ毎日更新していきます。以前のチャンネルも見ることはできますが、新しくチャンネル登録をしていただくと嬉しく思います。よかったらご視聴ください。こちらです。よろしくお願いいたします。