沖縄にいると言うと「いいですね」と言われますが、泳いでいるわけではないですし、観光スポット巡りをしているわけでもありません。自宅が単に沖縄になっただけで、やることはあまり違いません。絵を描いたり文章を書いたりしています。オリオンビールや泡盛を飲むこともなく、特別な活動をしているわけではありません。今回は30日のジュンク堂書店那覇店さんのイベントがメインの目的なんですけどね。それでも滞在中、ほとんどの時間は自宅にいるときと同じことをしています。
じゃあ自宅にいればいいじゃないかと言われそうですが、それは創作をしたことのない人間の台詞です。ずっと同じところにいると、心が飽きるのです。踊らない心で創作はできません。それが受験用の本のように、それほど苦も無く創れるものでさえも、です。受験用の英語の本や業者に依頼される模試は、使用できる英単語があまり難しくはありませんので、文章を書き起こすのがかなり楽です。
面白いのは、文章を書く時には左脳を使って論理的に考えているのですが、絵を描く時には右脳を使って感覚的に目の前の景色をとらえているのがわかるということです。これは絵を描き始める前には気づかないことでした。文字化できないので、この絵をどうすればいいかなぁと考えるときには目を閉じて、そしていろんな景色が浮かぶのを待ちます。コスモスが咲いている景色、子どもたちが遊んでいる景色、空は青く、雲が浮かんでいるというような景色です。
つかまえたなと思ったら目を開き、目の前のケント紙に向かいます。つかまえてもいないのに描くことはできませんので、しっかりとつかまえることが(少なくとも僕の場合は)なによりも大切です。そしてこの「つかまえる」ために、沖縄は非常にいい場所です。空が青く、海が美しく、灯台が白く、シーサーが赤く、その中を蝶がひらひらと飛び交い、イソヒヨドリの鳴き声が遠く聞こえます。デスクでPCを前にして文章を考えるのとは違うのです。
来週には帰宅しますが、それまでは時間の許す限り、絵に向かおうと思っています。いくつかの絵をすでにつかまえているので、時間さえあれば大丈夫です。来年にはこれらを集めた絵本を出版することができますので、今は1枚でも多くの絵をつかまえにいきます。
木村達哉拝
追記、
沖縄観光スポットの紹介をYouTubeで始めました。沖縄が大好きという方はどうぞご覧になってください。いつもありがとうございます。動画はこちらです。