酒田西高校の生徒たちからの質問が手元にあるんです。生徒たちに書いてもらった質問用紙には、彼らの悩みがびっしりと書き込まれています。子どもたちの悩みに、キムタツチャンネルで答えていきます。英語の勉強法に関するものもあるのですが、多いのはやはり人生に関わるものです。15歳や16歳にもなると人生を考えますからね。でも、なかなか人生のオプションを吟味できるほどの経験値もなく、悩んでいるというのが実情ではないでしょうか。
勉強にしても、それ以外の努力にしても、理由が必要となります。たとえば僕は毎日スクワットを100回していますが、それは健康を維持したいであるとかゴルフの飛距離を伸ばしたいであるとかいった理由があるわけです。それもないのに、毎日100回もスクワットをすることはありません。理由もないのに努力を継続させることは、普通は不可能です。
勉強をする理由は人によって異なりますし、なんの勉強をするのかも人によって異なります。たとえば、医師になりたいという人の場合、理科と数学と英語は必須アイテムです。古典や日本史は教養程度でいいのです。そして入試の配点がそれを語っています。理科と数学と英語のウェートがどの医学部も大きいのです。それぞれの大学の学部や学科の配点を見れば、どういう勉強が必要なのかがわかります。
したがって、自分は理科と数学が主要教科だな、私は英語と国語がかなり大切だな、僕は英語と日本史が重要だぞ、といった具合に、重点的にやるべき勉強が決まってきます。最初にあるのは理由なのですね。機械的に学校に行き、機械的に椅子に座っていても、やる気にはなりません。
そりゃ人間ですから、今日はどうしてもやる気が起きないという日はあります。僕も人間ですから、そういうときはあります。しかし、自分の夢や欲が大きければ大きいほど、勉強の理由が強ければ強いほど、さぼってはいられないという気持ちが夏の入道雲のようにわき上がってくるものです。僕の場合、絵を描かなかった日などは、時間が取れなかったなぁという残念な思いで胸がいっぱいになるのです。
勉強の理由がない人は、無理に勉強したって続かないのですから、いろいろと思索にふけるほうがいいかもしれませんね。単に学校と自宅の往復だけをしている人の場合、勉強の理由や人生の夢が見つからないケースが多いので、いろんなところに出かけてみたり、いろんな人の人生を書物を通じて辿ってみたりしながら、自分はどう生きるのかを考えてみればいいのではないでしょうか。
昨日の動画でも話しました。どうしようもない日は寝ればいいと思います。残念ですが、どうしようもないのであれば、です。でも、明日も明後日もその次もどうしようもない状態では、極めて無駄な日々を送ってしまう可能性がありますので、自分の責任で対処することですね。親や教員だって自分のことで精一杯なので、15年も16年も生きているのであれば自分のことは自分で考えて、せめて18歳ぐらいまでには答えを見つけられるようにしましょう。僕の動画が参考になれば幸いです。
木村達哉拝