トランスジェンダーであることを公表していた横山久美選手が、アメリカでなみさんという女性と結婚したと報告なさっていますね。また、イギリスを代表する音楽賞ブリット・アゥオードの主催者は、優れたアーティストに対し、男女ごとに授与してきた賞について、来年2月から、性別の区分を撤廃する方針を発表しました。
音楽賞に関して言えば、アーティストから「自分の性を男女のどちらにも位置づけない人たちが差別されている」という声が上がっていました。業績をたたえることが適切であり、性別は関係ないと考えた主催者は、性別区分を撤廃することにしたわけです。これは素晴らしい決断です。
ついでに、世界3大映画祭の1つであるベルリン国際映画祭は、最優秀賞の「男優賞」と「女優賞」を廃止し、新たに「最優秀主演賞」などを設けるとして性別を区別しない姿勢を打ち出しています。世界の流れがLGBTQ+ – friendlyに動いていることは素晴らしいことです。日本ではこの種の流れは完全に遅れていて、政治家のなかにも平気で差別発言をする人がいるのは残念なことですが。
日本ってものすごく生活しやすくて良い国だなぁと思うんです。医療アクセスはいいし、治安はいいし、一部を除けば人々は親切だし、義務教育レベルは高いし。でも、あまりにも保守的なので、新しいポリシーを受け入れる土壌があまり豊かではないんですよ。国全体が老齢化しているのと関係があるのかもしれないんですが。
SDGsの意識は普及しないし、いまだに人間はAIに取って代わられるんじゃないかとか言っている変な人たちはいるし、AIがあるのに英語を勉強するのか?とかお馬鹿なことを言っている人たちも少数ですがいるし。それを言うなら、昭和時代から電卓があるのだから算数や数学を勉強するのはやめればいいと思うんですけどねぇ。そうだ、ネットで調べられるんだから歴史を勉強するのもやめましょう。そうするとなにもかも勉強しなくていいことがわかるはずです。
外国(という括りこそナンセンスですが)の多くは、SDGsへの意識が高く、LGBT+を尊重し、AIという道具を使って便利な生活を創ろうとし、それでも英語は必須アイテムだよねという認識が多くの国々で受け入れられています。そんなことを言うと、これまた極端な自称ナショナリストたちが「それなら海外に移住しろ」なんて馬鹿なことを言うのですが、国を良くするために、いろんな人たちが幸せに生きられるためにどうすればいいのか議論し合うことが大事なんですよね。でないと、日本には自称ナショナリストしかいなくなってしまって、あっという間に滅びてしまうでしょう。
昭和時代には隠れていたさまざまな価値観が顕在化しているのはいいことです。そして、それぞれの価値観を持ったすべての人たちが幸せに生きられる社会を創っていくことが大切だと思っていますし、そのためにはさまざまな人たちが政治に関わって、法整備をしていくことですね。
木村達哉拝