秋田県の先生方による「高校進学指導協議会」という研修会があるのですが、そこで90分の講演を依頼され、喋ってまいりました。以前は秋田高校で『ユメタン』を毎年使ってくださっている関係でよく呼んでいただいていたり、あるいは秋田高校が修学旅行で関西に来られた際に授業見学にいらっしゃったりしたんです。最近はコロナ禍でもあり、なかなか秋田に足を向けることもありませんでした。
今回、協議会の幹事校である湯沢高校の校長先生が、久しぶりに木村を呼んでみようぜと発案してくださったおかげで、久しぶりに秋田空港へのフライトに搭乗することになりました。進路の話ということでしたので、灘校時代にどのようにして実績を出していたかという話が中心となりました。参加者は全員、公立高校の先生方ですので、どこまでお役に立てるかわかりませんが、しかし生徒たちの成績を上げる方法は私立も公立もありませんからね。
特にそれぞれの県がどういう人材を輩出するかというのは、地方にとっては非常に大切なテーマです。人口がどんどん減少していき、僕が生きているうちに1億人を割ることが確定しているような状況では、その地元に残る人も大切ですが、政治家や官僚になって東京から地元を守る人材だって必要なのですね。そのためには先生方の指導力が問われます。秋田の場合だと、秋田大学に行く生徒も必要ですし、東京大学に行く人材も必要だということです。秋田大学にはけっこうな数の生徒たちが行きますが、東京はどうでしょう。
先生方の経験から判断すると、地元の大学に行かせる指導力はおそらく大丈夫です。それは沖縄の先生方が琉球大学に合格する指導力を有しているのと同じです。では、東京から地元を守る人材を育てられるかというと、それは一部の進学校の生徒たちに頼っているのが実情なのではないでしょうか。東京や兵庫のように、いろんな学校からそういう人材を輩出できるようになればと思うんですね。
今回はそういう話を中心に置いて、ではどう指導するのかというお話をさせていただきました。終わってから各学校の校長先生が挨拶においでくださり、恐縮しておりました。また、秋田でもセミナーをやってください!という先生方の声が嬉しかったです。お世話になりました。ありがとうございました。感謝感謝です。
木村達哉拝