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親にできること

2021.12.13(月) 12:40

ウィザスの講演に参加された保護者の方からお礼のメールをいただきました。こういうのはいいですね。ウェビナーなので参加者の顔は見えなかったのですが、反応があって人間同士のつながりができると嬉しいものです。どうしてもネット越しに講師が参加者に情報を伝えると、確かに情報は伝わるのですがパッションは伝わらないんですよ。

英検についての質問だったので、僕なりの意見というか感想というかを返信しました。英検は以前は比較的公的な検査だったのですが、今は英検協会と言いますか、旺文社と言いますか、私的な英語のテストになりました。とは言っても、それを高校入試に導入している大阪府のようなところもありますので、公立の高校を受験する子どもたちの中には、英検を受検する人がいらっしゃいます。

また、大学受験生の保護者の方から、親には何ができるんでしょうかという質問もいくつか届いています。結論から言うと、なにもできません。なにかしたくなる気持ちは痛いほどわかるのですが、親に頼っているような受験生が成功するわけありません。合格はするかもしれませんけどね。大事なのは一人で歩いていくことですし、大学受験というのはその入口なのです。親にできることはないし、むしろ何もするべきではありません。それはこの本にも書いたとおりです。

ただ、できることがあるとすれば、やはりそれは環境ではないでしょうか。生徒が帰宅したときに余計なひと言を吐かず、ご主人や奥さんが仕事から帰宅したのと同様に「お疲れ様」とねぎらってあげればそれで十分です。まさか仕事で疲れて帰ってきた配偶者に「がんばってきたか?」なんて声かけはしないはずです。余計なひと言が受験生をイライラさせます。

動画で話しましたので詳細は書きませんが、闘ってきた生徒たちが安らげる場所としての家庭を、リラックスできる家庭を、しっかりと維持することが親の務めだと僕は考えています。学校や塾で闘ってきたのに、家庭でも闘わねばならないとすれば、気持ちの休まる場所がないわけで、そういった生徒の成績が伸びることはあり得ません。動画はこちらです。

成績のよい子どもの保護者の多くは「特になにもしていない」とおっしゃいますが、それでいいのです。成績が悪いから口出しし、結果的にさらに勉強しなくなるという悪循環に陥ります。どうして勉強しないのか、勉強する環境にはあるのか、親はどういう努力を見せているのかを分析することが肝要だと思っています。それこそその部分を教員に相談するなどして、子どもたちが勉強しようと思う雰囲気を作っていくことが必要なのではないでしょうか。

木村達哉拝