共通テストまで1か月を切りましたね。昨年の今ごろを思い出します。最後の最後まで点数を1点でも上げろよ!なんて檄は飛ばしませんでしたねぇ。灘校生だからでしょとおっしゃる方は受験を知らない方です。灘校生であっても何校生であっても狙う点数に対してはかなり緊張感をもっているものです。
点数を1点でも上げろ!なんて生徒たちからすれば「わかっとるわ!ぼけぇ!」っていうアドバイスなんですよ。大事なことってそこじゃないと、僕は思っているんです。1つはリズム(といっても生活リズムではない)。もう1つは何点を落とせるのかを意識すること。
前者については、キムタツチャンネルでも話しましたが、意外と難しいんですよね。プロ野球選手が開幕に合わせて調整するために、2月末にいったんは調子を落とすと聞いたことがあります。ずっと努力して全力で走り続けるなんてこと、人間にはできませんからね。ですから、ここでは落としても大丈夫。ここからは落とすとまずいというリズムがあるんです。その動画はこちらです。ずっと勉強していると親は安心するでしょうけど、生徒からすればルーティーンに陥ってしまって、勉強することそのものが目的化しちゃうんですよ。それはあまり良くありません。
かと言って、勉強しないわけにはいきません。調子が悪いなと思いながらも日々デスクに向かうものです。大事なことは勉強することではないんですよね。意識して勉強することなんです。そこがわからない人の場合、プロに聞くしかないんですけど。A判定が出た子でも、たかだか秋の時点の模試でしょ。冬の入試でAかどうかなんてわからないわけですね。だから、開幕に合わせる選手と同じで、当日に合わせに行く感覚が大事なんですよね。
また、2つ目の「何点落とせるのか」についてもかなり大切です。800点取ってやろう!とか750点取ってやろう!とすると、全部完璧にすることを狙いにいきます。もちろん早い時期や高2時期であればそうでないといけないんですけど、こんなぎりぎりになって残り時間が限られているのに、満点を狙いに行く勉強をすると失敗する可能性もあるわけですね。詳細は動画で話しましたので、こちらを参考にしてみてください。
昨年は多くの生徒たちが志望大学に合格しましたが、それでも秋時点でA判定だった子たちが何人か涙を飲みました。当日も含めた調整ミスではないかと僕は思っています。再度書きますが、A判定って言っても「合格するだけの力は持ちつつあります」というだけで、合格する可能性は85%程度しかないんです。15%ぐらいの子は落ちてしまうんですね。逆にD判定の子でも30%ぐらいは合格してくるのです。そこは動画でも話しましたけれども、上に書いた2つの意識が鍵を握るんじゃないかなぁと思っております。
木村達哉拝