一年の締めとして、甲子園五番町カイロプラクティック院に行って体のケアをしてもらってきました。福井先生はいつも「キムタツさんの体のことは僕が一番よく知っている」と言ってくださいますので、であればと定期的に通っているのです。肩が凝ってから、腰が痛くなってから、関節に痛みが出てからカイロに行くと時間がかかるんです。むしろ症状が出ないようにするために行くと効果があるのです。
今年はどうでしたかという福井先生の問いに「いや、灘校を辞めるのに0.3%ほどの不安はありましたけど、99.7%のわくわく感が勝りまして、だいたい思った以上にわくわくしながら過ごすことができました」と言うと、「わくわく感が100%かと思っていました」とおっしゃいます。
どんなことをやるにしても少しは緊張感があったほうがいいんですよ。不安感とかね。それが無いと必死にならないですから。100%勝てる相手との試合では全力になれないように思うんです。これだけ努力してきたんだから大丈夫だろうと思っても、少しは不安や緊張感があったほうが良い結果につながるんじゃないでしょうか。
極めて不安定な生活を送り始めた4月。大学を卒業してから初めてサラリーが振り込まれず、人生ここからやなぁ!と記帳に行った銀行のフロアで握りこぶしを作ったものです。その後、『新・東大英語リスニング』をはじめとする著作を何点か出しました。予定より遅くはなりましたが絵本の制作も進んでいます。9月からは芸能事務所オリジン・コーポレーションに所属し、たくさんの新しい人たちと出会うことになりました。
来年からの展望も見えてきましたが、なにより自分の力を高めるべく勉強しないとどうしようもありません。ですので、ひたすら本を読み、インプットに励んでいます。57歳の再スタートですからね。多くの方々が応援してくださっているので、その人たちの笑顔を思い浮かべては怠けそうになる自分の甘さに鞭を振るっています。
皆さんにとってはどういう一年間でしたか。新型コロナウィルスの登場から約2年が過ぎ、新しい価値観が生まれましたね。自分が成長していかないとどんどん置いてけぼりになる現代に生きていることにむしろ感謝し、来年もまた新しい世界を覗いてやろうと今から計画しています。自分にできるのか?という不安感と、それでも新しい世界に飛び込めるわくわく感を持って、新年を迎えます。
木村達哉拝