昨年、拙著『東大英語リスニング』の3部作を作り変えましてね。特徴としては完全に東大入試のリスニングに似せて、言うなれば東大リスニング模試にしました。『東大英語リスニングBASIC』に関しては、最初のUNITは短いトランスクリプトが含まれていますけれども、『東大英語リスニング』と『東大英語リスニングSUPER』に関しては、完全に東大入試を模して作り変えました。
具体的に言えば、①選択肢を5択にした、②アメリカ英語・イギリス英語・オーストラリア英語のミックスで収録したという2点が大きいですね。トランスクリプトの半分ほどを新しいものにしました。すでに進学校の生徒たちから連絡が届いていますが、相当お役に立つと思います。東大受験、あるいは外国語大学受験、頑張ってくださいね。
ただ、リスニングに関して言えば、これをやったから聞き取れるようになったという問題集があるわけではありません。英検2級程度のリスニング力だと入試ではまったく対応できないはずですので、それなりに普段からトレーニングをすることが大事なのであって、問題を解いたからといって、あるいは英検を受けたからといって、聞く力が伸びるわけではないわけです。
今週末は鹿児島県の今吉先生が主宰する勉強会で、また来週は山形県の松木先生が主宰する勉強会で、それぞれリスニングの指導法を話してほしいという依頼を受けまして、話をさせていただくことになりました。実際の英語を使用するシーンでは60分とか90分とかのpresentationやlectureを英語で聞く「リスニング体力」が求められます。たかだか100語程度のトランスクリプトが聞けても「使える英語力」が身についているというわけではありません。あくまでも受験用のリスニング力です。
が、まずは1分間が、次に3分間、続いて5分間、聞き取れるようにならないと60分間のリスニングなどできるはずがありませんので、鹿児島や山形の先生方には少しずつ長くしながらリスニングをするトレーニングを紹介させていただこうかなと思っています。参加される先生方はどうぞよろしくお願いいたします。
東大を受験する人たちは、まずは5分間集中して聞く体力が必要となります。共通テストレベルのリスニングでは満点近く取れることが土台とはなりますが、それだけでは東大のリスニングには対応できません。具体的には僕の動画でいろいろ説明していますので、参考にしてみてください。
木村達哉拝