この写真は東日本大震災の翌年、仙台の大槻先生に案内していただきながら被災地をまわったときに撮影したものです。こういった形で、車がここかしこに転がっていました。ボロボロになったガソリンスタンドや小学校。おそらく海岸沿いに植えられていたのであろう防風林は数本の木を残して歯抜けの状態になっていました。
あれから11年が経ったのですね。当時まだ小さかった子たちが高校生になり、僕がボランティア活動を続けている福島でも明らかに風化を感じることができます。震災直後に「僕たちが福島のちからになりたい」と言ってくれた高校生たちがいました。当時、お寺を借りて英語の勉強会を行っていたのです。そのときのひと言でした。
今の高校生たちはどうなんだろう。特に東大をはじめとする超難関大学に進む意義と故郷創生の繋がりを感じられていない人もいるかもしれませんね。もちろん個人の幸せのために勉強するのは素晴らしいことだし、自分が幸せにならないと他者貢献など望むべくもないのですが、しかし、しっかりと学ぶことで、壊れた故郷を立て直すための人材になるという部分は間違いなくあるわけですね。
あれから11年です。個人的にはこれからもボランティア活動を続けていきます。もう君の力は要らないと言われるまでは、です。福島県だけでなく、東北各県の先生方から「来てほしい」というメールやLINEやMESSENGERが入ると、心浮き立つ思いになります。皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
木村達哉拝