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自分も本を出したい、という人に

2022.04.20(水) 08:00

高校生からメールが届きました。真面目そうな男子生徒です。自分もキムタツさんのように本を書いて生きていきたいと書かれてありました。ええことですねぇ。そういうのは素晴らしい。なにが素晴らしいって、絶対に金持ちになれない職種である作家になるなんて、若いうちから考えるのが素晴らしい。カネではなく、やりたいことをやって生きるのが良いのだ。

本を書くためには思いがなければいけません。こういう本を書こう、こういう本を書いて世間を驚かしてやろう、こういう感じの本を書いて世間をハッピーにしてやろう、こういう本を書いて世間を呆れさせてやろうなどなど。思いが具現化したものが本なのですから、思いがない人が本を出すことはあり得ないわけですね。

これはジュンク堂書店那覇店さんなんですけれども、こうしてたくさんの本が置かれると、なにやら自分にも書けそうな気がしてきませんか。そうしたらPCを立ち上げましょう。古いけど「今でしょ!」です。湯気が立っている状態が一番いいのです。PCを立ち上げたらWORDをクリックして、文書が書ける状態になったら、思いをぶつけてください。

1文字目、2文字目、3文字目、これであなたは作家を名乗れます。それが出版されるかどうかはあなたの情熱次第です。ただ、物書きの端くれからのアドバイスですが、①「売れて印税が入ってカネ持ちになってやろう」なんて考えるなら止めたほうがいい。あなたの本は売れない。②「物書きになったら自分が死んでも本は残るぞ」と思っているなら止めておいたほうがいい。ほとんどの本は翌年には絶版になる。③「書店に並ぶ自分の本を見たら嬉しいはずだ」なんて思っているなら止めておいたほうがいい。ほとんどの本は書店さんに並ばない。

大事なことはこちらの動画で話しました。現在は絶望的に本を読む大人と子どもが減りましたので、書店さんの数がどんどん減少し続けています。amazonで買うのもいいのですが、週に1度、忙しい方は月に1度は書店さんに足を運ばれ、気にいった本を買い物かごにぽんぽん放り込みながら歩く「知的散歩」を楽しまれては如何でしょうか。

木村達哉拝