キムタツチャンネルを更新しました。西大和学園と灘校では、トップで入ってきた子はそのままトップ層にいて、入試で下位層だった子はそのまま下位層に居続けたかとうか、もしそうなら鶏口となるも牛後となるなかれという言葉のとおり、ぎりぎりで入学するよりも入ってから上位になりそうな学校に進むのもいいかと思う、というメールをある保護者から受け取りました。
回答は動画の中で説明しましたが、入学の際の席次なんてまったく関係ありません。入学して最初の中間考査からしてもう関係なくなります。主席(第一席)で入ってきた子が学年の真ん中ぐらいになり、追加合格で入ってきた子がトップになる…そんなことだらけでしたよ。
大事なのは入学することではないんです。最終学歴が灘校という子たちだっています。つまり、大学にはどこにも進まず(進めず)に就職したり専門学校に行ったりするような子たちです。でも、その子たちが人生の負け組かというと、言うまでもないことですが、違います。社会で活躍している高卒の人たちがそれを証明してくれています。東京大学に行ったけれども、フリーターをやっている人たちだってたくさんいます。そしてそれも悪いとは思いません。
小学校時代はまったく読書をしていなかったけれども、中学に入ってから読書に耽り、学力を伸ばした子がいます。高校に入ってすぐの考査で成績が悪かったので目が覚めて勉強し始めた子がいます。逆に、入学してから「アリとキリギリス」のキリギリスになり、高3になってから勉強すればいいやと思っているうちに得意だった数学がまったくできなくなって、やる気を失い、そのまま素質を開花させられなかった子がいます。東大に入ったけれどもやることが見つけられずに退学した子がいます。阪大医学部に入ったけれども、医学に関心が持てずに退学した子がいます。
西大和学園と灘校の生徒たちは、合格して多くの「おめでとう!」を受け取ります。小学校や中学校では上位1%にいた子たちばかりです。でも、入学後は99%の子たちが、上位1%には入れません。プライドが打ち砕かれ、先生方に叱られ、仲間から笑われるところからスタートしなければならない子たちがたくさんいます。いろんな要素が絡まっているように見えますが、単純な話でして、入学後に努力した子、経験値を高めた子が上位に行きます。
入学は、中学にしても高校にしても、言うまでもなく大学にしても、単なるスタートラインに並んだだけの話です。日本はスタートラインに並んだだけの人に「すごい!」と言い過ぎです。ちっともすごくありません。そこまでの努力は認めるにしても、です。天才でもなんでもない子たちに周囲の大人がちやほやするから駄目になるんです。動画はこちらですが、本人が行きたい学校に入り、努力してもらえばいいんじゃないでしょうか。
木村達哉拝