いろんな感想をいただいて、毎日嬉しく思っています。「棒高跳びしている絵が好きです」とか「コスモスの原画がほしい」とか「海の中はどの生き物も自由なんだと改めて考えさせられた」とか。いろんなことを考えていただければいいなぁと思っています。

最後の絵で涙腺が崩壊しましたという感想もいただいています。おそらくお父様やお母様を亡くされたんでしょう。僕の場合、父にも一生懸命に育ててもらったのは間違いないんでしょうけれども、やはり母との思い出のほうが強烈で、どうしても最後の１枚は母にしたかったのです。

今はもうすでに２冊目の絵本について考え始めています。今度のはストーリーのある絵本です。テーマはまだ書けませんが、おそらく多くの方々が思っていらっしゃるとおりです。いろんな作家さんの絵本を見て、インプットをしている状態ですから、来年に出せればいいなぁと思っています。

英語の問題集や単語集の場合、ある程度は書くことが決まっています。たとえば英文法の本を書くときに、時制について書いていない本はありません。英作文の場合、冠詞について書くことになりますし和文和訳について書くことになります。単語集も、コンセプトの違いはありますが、どの単語集も同じ単語が並んでいます。

しかし、絵本の場合は違いますよね。描き方はまったく違いますし、文章の作り方も作家さんによって異なります。また、絵本の場合には絵だけを担当する作家さんと文章だけを担当する作家さんの合作であることが多いんですよね。僕のようにひとりでどちらも創作する場合、絵本だけでなく小説も参考にしなければなりません。

まさに、我以外皆我師也だなぁと思いながら、勉強しています。この言葉は『宮本武蔵』で有名な吉川英治先生が好んでお使いになった言葉です。「ワレイガイミナワガシナリ」と読みます。意味を解説する必要はありませんね。そういうことです。まだまだ駆け出しの作家です。数えで59歳ですけど、大器晩成型の人間ですので、これからも伸びることを信じて精進します。何歳になっても大器晩成です。

木村達哉拝