母校の関西学院大学に行ってきました。後輩たちに「伝える力」について講演と、実際に話すワークショップをやってほしいと大学からオファーをいただいたんです。卒業したあと、何度も大学には足を運んで多くの方々にお話をしてきましたが、後輩たちに話をするのは初めてでした。
「伝える」のって難しいんですよ。伝えるスキルを伸ばすための本はたくさん出ていますし、それなりに売れているそうですが、楽器の演奏法の本をいくら読んでも上達しないのと同じで、結局のところは数多く話さないと上手くならないんです。でも、だからといって場数が多い人が上手いかというとそうでもありませんよね。学校の先生や大学の先生で話すのが上手い人ってどれぐらいいらっしゃるのでしょうか。けっこうなベテランの先生でも、話すのは下手という方はたくさんおられます。
ですから、講演で具体的にスキルについて話をし、頭で理解をしてもらいました。そのうえで学生たちにはテーマを決めてグループワークをしてもらいました。スピーカー役とオーディエンス役に分かれて、ワークショップを行いました。僕もいくつかのグループに入り、オーディエンスにまわりました。
なかなかうまく話せないでしょ?と言うと、皆さん大きく首を縦に振ります。では、こういう点に気をつけてみてくださいと言って、次のトピックに移ります。少し上手くなりました。では、次はここに気をつけてくださいと言って、また次のトピックに移ります。
生徒対象に話すのと保護者対象に話すのは違います。また、会議などで同僚に話す場合の話し方・伝え方も違います。もう少し立場が上になって、他校の先生や生徒に話す場合も違ってきます。具体的なシチュエーションを設定して練習を行うこと、準備をしっかりとすること、最も大切な熱量の高さに意識を置くことなどについて話しました。
定員を大きく超える数の人たちが参加してくださいましてね。嬉しかったですし、終わってから何人もの人たちが質問やご挨拶においでくださいました。また、帰宅したら数人からお礼のメールが届いていました。リアクションがあるというのは嬉しいものです。
お世話になった関西学院大学図書館の方々には深く深くお礼申し上げます。またこういう機会があって、講師をどうしようかなと思われた際にはお声がけいただければ、大喜びでスキップしながら伺います。これからもよろしくお願いします。
木村達哉拝