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人材を育てなければならないのに

2022.07.01(金) 11:50

英検やGTECのために勉強してもいいんです。それはひとつの道標ですからね。でも、そういった検査が終わったら勉強しなくなるって、それは違うんじゃないの?と言わざるを得ません。実際、英検を取得すると内申点に加算される自治体があります。が、そういうところの子どもたちの英語力は伸びていないように思います。

英検やGTECが悪いわけではありません。僕も生徒たちに「中3までに英検を受けて合格してね。合格したら通知を見せにきて」と言っていましたから。また、中学でも高校でも毎年GTECを採用し、成績を比較していました。それらが悪いわけではありません。

が、それらが目的になってしまうと成績は伸びません。英検に合格することそのものは極めて簡単だからです。ここでは書きませんが、然るべき対策をすれば、誰でも合格できます。したがって、学校や塾の中にはその「然るべき対策」を行い、合格させているところもあります。英語力がなくても合格はできます。断言します。

英検を取得していると点数を上乗せするという自治体や教育機関は、そういうことをご存じなんでしょうか。知っているにもかかわらず点数を上乗せして「最近の学生は」と嘆くのは間違いです。「然るべき対策」をすれば必ず合格するものを、合否の材料に使っているのはその自治体であり機関なのです。子どもたちだって、そりゃ高校や大学に合格したいはずですから、英検対策に余念がないのも当然でしょう。

でも、それでいいんでしょうか。そんなので本当にいいと考えているんでしょうか。人がどんどん少なくなって、衰退途上国なんて揶揄されている日本で、人材を育てない取り組みをしているような状況で、本当にいいのかと僕は不安になります。

僕はあとどれぐらいかすれば死にますが、子どもたちは人口1億人を切った日本で生きていかねばなりません。あと50年もすれば8000万人ぐらいになると言われていますし、コロナがその速度を速めているというデータもあります。対策的な学びばかりして、まったく力のない子どもたちが闊歩する日本にしてはいけないんじゃないかと、強く危惧しています。

HUB沖縄に書きましたが、沖縄県の佐敷中学校でそういう話を子どもたちにさせてもらいました。しっかりと着実に学んで自分のレベルを向上させ、社会に役立つ人材になり、自分も幸せになる学びを今こそ。僕のコラムはこちらです。お読みください。

木村達哉拝