沖縄の興南高校で講演をしてきました。高2の生徒たちに対してです。高2の生徒たちと言えば、再来年の受験なので、一般的にはあまり「受験生」とは言われません。が、しかしそれなりのレベルの大学を受験する場合、遅くても高2の秋から準備を始めないと間に合わないはずです。
僕が灘校の教員だった頃には、高2の10月頃に面談を行い、3月までにどこまで潰すのか、高3の6月までにどこまで潰すのか、それで高3の8月の模試ではC判定が出せると思うのか、では秋からはどうするのか・・・について綿密に打ち合わせを行いました。
生徒たちにはどういう人生を生きたいのか、どこで生きたいのか、それによって入ってくるお金も違うし出会う人も違うということを話しました。また、勉強については、どういう勉強をしてどういう社会的貢献をするのかということを話しました。英語の話は一切しませんでした。
特に、沖縄の場合は平均所得も最低賃金もかなり低い県です。観光客として行くにはいい場所なんだと思うのですが、暮らしていくとなるとそれなりのことは覚悟しておかねばなりません。沖縄には沖縄の企業に勤めている人もいれば、県外の企業で働いている人もいます。どういう仕事がしたいのかによって、大幅に収入は異なります。公務員の給与もかなり低いのが現状です。
そういったことはそもそも学校で教えるべきだと思うのですが、あまり学校ってお金の話をしませんよね。だから僕みたいな部外者が話をします。生徒たちはものすごく真剣な表情で僕を見ながら、あるいはパワポのデータを見ながら、話を聞いていました。
どういう生き方をするのかは自由に決めればいいと思います。どういう大学に行って、どういう暮らしをするのかによって、人生はまったく違うものになります。高2生徒にとってはあと1年半で選択をしなければなりませんので、今から着実に準備をすることになります。興南の生徒たちにはじっくりと考えて選択してもらいたいなと願っています。
木村達哉拝