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太宰治と宮沢賢治とわんこそばと

2022.08.05(金) 10:00

せっかく青森に来たんだから「彼」に会わずに帰るなんてあり得ないなと思いましてね。太宰治記念館(斜陽館)までレンタカーを飛ばして行ってきました。弘前からは40分ほどのドライブでした。渋滞もなく、快適なドライブ。

太宰治の生家が今では太宰治記念館(斜陽館)となっているのですが、実際にはこの家は太宰のお兄さんが住んでいた家で、太宰は縁を切られて東京に行きましたので、この家で作品が生まれたわけではありません。この家は当地の大地主ですから、写真(下)のとおり、巨大な家です。

お兄さんの家なのですが、観光客のおとんどが「ほぉ!」とか「へぇ!」とか言いながら、お兄さんの使っていた家財道具を見て感心していらっしゃいました。それはそれでもいいのですが、太宰の「家」は目と鼻の先にあるのに、95%の観光客がそちらには行かないそうです。もったいない!

戦時中、太宰は実家に疎開しているんです。お兄さんに頭を下げて、当時はこの実家に併設されていた(今は歩いて2分ほどのところにある)「離れ」で彼は生活をしていたんです。そこで作品を生み出したのですね。

僕はその「離れ」を見たくて、行ってみました。そうしたら、そちらは写真を撮っても構わないし、触れても構わないというルーブル美術館な状態だったので興奮し、実際に太宰が使っていた文机に座り、受付の男性から太宰の生涯について話を聞かせていただきました。

この机に座ると文章が上手くなるそうです。実際、こちらを訪れた又吉さんが芥川龍之介賞を受賞されていますので、僕も頑張ろうと思いながら、「離れ」を後にしました。

せっかく東北に来たのにこのまま帰るのもねぇと思いまして、レンタカーをいったん新青森駅で返却。新幹線に飛び乗って、盛岡駅に向かいました。

宮沢賢治に会いに行くためです。

太宰と違って宮沢賢治は、生前には評価されなかった人です。『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『よだかの星』『雨にも負けず』など、数多くの名作を遺している、日本を代表する作家ではありますが、彼の死後、草野心平らの尽力によって一般に知られるようになりました。

行ってみようと思われる方は、宮沢賢治記念館と宮沢賢治童話村が隣接されていますので、そのどちらにも行かれるといいのではないでしょうか。花巻空港のすぐ近くです。彼がいかに岩手県を愛し、文学だけでなく、農業の発展に貢献したかが手に取るようにわかります。

今回の東北の旅は極めて充実したものになりました。弘前高校さん、ありがとう!今回は時間の関係で訪れることができなかった石川啄木の記念館にも、次回は絶対に行ってやろうと思っております。

ちなみに昨日のお昼は東屋さんのわんこそば。「よいしょ!」「そぉれ!」「まだまだ!」という掛け声に背中を押され、108杯食べました。58歳にしては頑張りましたでしょ。普通のざるそばなら、8人分なんだそうです。美味しかったです。が、晩ご飯はスキップしました。

木村達哉拝