沖縄県の先生方を対象に、英語指導法について話してもらえないかという依頼を名桜大学から頂戴しました。対面とオンライン合わせて40数名が参加してくださいました。感謝申し上げます。
英語の指導法(勉強法)といっても特別なことはありません。これはいつも述べていることですが、単語と文法の知識や理解が欠けていると、どう足掻いたところで得意にはなれないわけです。
とりあえず喋ってごらんと言われても、その両方がなければ何も話せません。「とりあえず」と言っている先生は、ご自分でとりあえずアラビア語でなにかを話してみてください。フランス語でも構いません。無知な状態に機会を与えても時間の無駄です。
ましてや、そんな状態の学習者にディレクトメソッドで(日本ではAll in Englishなどと呼ばれる)教えてみてください。そもそも力がない人が聞き取れるのでしょうか。それも時間の無駄です。
沖縄の先生方や教員志望の皆さんに対して、こういうふうにして英語を教えるんですよというお話に加えて、これからの沖縄県や日本はどういうふうに変化していくのかという話もしました。
あと30年も経てば、日本の人口は9500万人ほどになります。そうすると国防は弱くなりますし、警察や消防といった仕事に就く人は激減します。私立高校や大学は倒産の憂き目に遭いますし、中小企業だけでなく、大企業でさえも人員不足で苦しむはずです。
その中で自分はどういう力をつけるのか、あるいは生徒たちにつけさせるのかは教育における最大の課題ではないでしょうか。対策的な勉強をして簡単な資格を取ったところで、あまり意味がありません。国力が弱くなっても生きていける個人の力を涵養する取り組みが重視されるのではないかと思っています。
ご参加くださいました皆さん、オンラインで参加してくださった県外の皆さん、ありがとうございました。考える機会となれば嬉しく思います。
木村達哉拝