東大生が東大を提訴した!
という見出しの記事がヤホーで流れまして、誰やねんと思っていたら僕が担任をしていた生徒でした。コロナに罹患していた際の欠席が認められずに単位を落とし、結果的に留年が決まったということですが、それに関しては提訴をしたのですから、他人がとやかく言うのはやめておきます。
裁判に勝てば、単位が認められて留年ではなくなるんでしょうけれども、そうでなくても(つまり負けても)東大サイドの成績処理の説明不十分さは解消されるでしょうから、ある意味、彼にとってはいい裁判かと思います。
今回のことで評価したいのは、泣き寝入りしなかったという点です。大人でもそうですが、なかなか組織には立ち向かえないものです。僕などは亡父のおかげで裁判慣れしているところがあって、腹が立つことがあったら弁護士にすぐ相談します。
でも、日本では多くの方々が我慢をします。我慢をしても自分が傷つくだけで、なにも良いことなどないのですが、それでも我慢が美徳となっています。まるで1945年前後の日本のようです。
おかしいぞと思ったら、あるいは明らかにこれは先方が悪いだろうと思ったら、弁護士に相談すればいいのです。弁護士ってのはそのためにいるのですから。僕などは、僕のカネで飲み食いした奴らから「カネの亡者」なんてネットに書かれて、顧問弁護士の津久井さんに相談しました。
当の教え子も、相手が東京大学なので大丈夫かいなと思っているかもしれませんが、個人が組織と戦うというのはそういうことですから、いい経験になるんじゃないでしょうか。裁判でもしも負けたら、そのときは気持ちを切り替え、自分の駄目だったところを振り返りながらポジティブに生きればいいのです。
ただ、裁判の結果が出るのはかなり後になるので、裁判後に勉強を再開するようなみっともない真似はしないでもらいたい。今となっては留年そのものにネガティブなイメージなどありませんし、この先も高校時代と同様に、しっかり学び続けてもらえればと、元担任としては願っております。
木村達哉拝