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中学入学時点で英語が嫌いという子ども

2022.12.17(土) 11:10

鹿児島に行った際、進学塾MUGENの塾長である小牧さんが会いに来てくださいました。飲みながら、小学校英語がいかに機能していないかというお話、また中学校に入学してくる時点ですでに英語を学ぶ気力が失せている子どもたちのお話を伺いました。

小学校英語が導入されるときに、有識者というエライ人たちがそれなりに議論したのでしょうが、当時の政権が掲げていたのは「経済最優先」という看板ですからね。ちゃんと勉強するために、然るべきカネを払って塾に行かないとえらいことになるよ、というメッセージだったのでしょう。

鳥飼先生をはじめとする英語教育の専門家たちがいくら警鐘を鳴らし続けても、文科省はずっと無視を決め込んでいました。グローバル教育とは名ばかりの英語教育がどんどん進んでいきます。今のままではおそらく日本は大きく海外の多くの国々から取り残されてしまうでしょう。

文科省の役人が無能だとこうなる、という見本です。

教育に高い意識とカネを使わない国と政府です。教育をテキトーに個人任せにすると経済格差が教育格差になり、それが再生産していきます。カネのない家庭に生まれた子どもは勉強がつまらなくなり、勉強ができない=貧困から脱却できないという等式にしたがって生きることになります。その子どもが産む子どももおそらくは貧困から脱却できないでしょう。

閑話休題。
中学入学の時点で「英語なんか嫌い!」とのたまう人間が、果たして英語力を伸ばすことが可能なのでしょうか。教員は教科書を終わらせるのに必死。補習と言ったって生徒は嫌々参加する。機械的に塾に通い、フリータイムがあったら迷わずゲームに手を出す。こんな状況で英語力が伸びたら奇跡です。

小学校の先生方も大変です。そもそも若い先生方を除けば、英語を教えることになるなんて思いもよらず、小学校の教員免許を取得したはずです。中には「英語なんか私だってできないよ!」という方々が教員をやっているのです。英語のプロではない人に教わる子どもたち。この状況を異常と呼ばずしてなんと呼ぶのでしょう。

経済力のある親の場合、しっかりとした(←ここ大事)塾や家庭教師をつけることになりますが、そうでない場合には「塾に行かせているのに全然ダメだわ」と子どもの成績表を見てため息をつくことになるはずです。

すべては文科省の無能さと、政府の無責任さが元凶です。それぞれのご家庭はどうすればいいのでしょう。英語塾に通うにしても、しっかりした塾とそうでない塾を見極める目を持たねばなりませんし、アマチュアの方々には難しいところです。有名な塾だから大丈夫ということは全くありませんからね。

最低でも簡単な英語の単語と文法を学んでおかれることをお勧めします。なかには「文法なんか要らない」という方もおられます。僕とその人のどちらを信じるかは任せます。が、中学に入ると「こんな単語は知っているよね、基本文法も小学校で学んできたよね」を前提に授業が行われます。それを知ったうえでご判断ください。

木村達哉拝

追記
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