『海をあげる』や『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』で著名な上間陽子さんとお会いして、沖縄の教育について、性被害について、お話をお伺いしました。非常に勉強になりましたし、なにより僕自身の小ささに改めて気づかされることになりました。
上間さんは「おにわ」というシェルターを主宰しておられます(詳細はこちら)。「おにわ」は若年出産シングルマザーの保護施設です。彼女が代表を務めておられますが、経緯は上のリンクを読んでいただければおわかりいただけるのではないでしょうか。
僕が福島と沖縄で続けているのは学習支援のボランティア活動ですので、上間さんとは異なります。けれども、なんとか自分のちからがお役に立つならなぁと思っているところは同じです。ただ、覚悟を持って動いておられる上間さんのお話に背筋が伸びる思いをいただきました。
1995年9月に、沖縄に駐留している米軍人3名が、女子小学生を強姦するという事件が起こったのはご存じのとおり。これをきっかけに米軍駐留に反対する機運がそれまで以上に高まりました。
また、これは沖縄だけの話ではないのですが、ネットで「性暴力」と検索してもらえれば、最近でも教員や養護施設などで多くの女性が被害に遭っていることが見てとれます。徐々にではありますが、性暴力事件や性暴力報道に対する国民的意識が高くなってきたように思います。
ただ、そこに関わろうとする場合には覚悟が必要ですし、難しい問題が生じます。どこまで関わるのかという問題です。深く関わって助けることでその人は救われるのですが、逆に言えば救われてばかりでは立てなくなります。たとえば、飢えている人に食物を与えるのは必要な行為ですが、与え続けているとその人の自立を妨げることにつながります。
食べ物を与えてばかりでは駄目なのです。
支援活動を続けているとどうしても「どこで引くか」というテーマとぶつかることになるのですね。沖縄で活動を続けていらっしゃる上間さんから「ここで引こうと思った」という言葉が2度出てきたのは当然だと思います。引かないと立てないのです。支援の気持ちは持ち続けるにしても、です。
正しく「引く」ことができないと、困っている人を放置することになります。そこはじっくりと話し合いながら、相手を見ながら、行うことが大切ですね。その点で並外れた覚悟が必要となります。上間さんにお会いできて本当に良かったと思っていますし、来年以降の自分の活動に活かしていこうと考えています。
木村達哉拝
追記
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