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埼玉・創学舎高校にて講演

2023.01.07(土) 12:00

つくづく五十嵐先生はお元気だなと思う。失礼ながらすでに70の齢を過ぎておられるのに、東京まで戻る列車の中で日本の教育、特に英語教育の欠点について、滔々とお話を続けられた。彼女も相当疲れているはずなのに、である。

当方は朝から深谷市に向かい、会場である深谷市役所には昼過ぎに入った。不登校の生徒たちに1本目の講演をするためである。そういう生徒たちに話した経験は過去にない。しかし、依頼されたら断れない損なキャラクターと、過去に経験したことがないというだけで経験したくなるプロパティによって、このボランティアを受諾することにしたのである。

約60名の生徒たちに加え、深谷市の副市長や指導主事をはじめとする教育委員会の面々がずらりと会場後方に陣取っておられる。こちらは淡々と、と言っても90分という長さに生徒たちが耐えられるわけもないと思うのでかなり面白おかしく(58歳のおっさんの話が彼らにとって面白いかどうかは別として)心を込めて人生のお話をさせていただいた。

2本目の講演は教育関係者や保護者が対象である。終わった頃にはすっかり外が暗くなっていたが、50名ほどの方々は最後まで席を立たず、終了後は生徒たち以上にサイン会の列にお並びになった。参加者が極めて多かったのは、創学舎高校が深谷市とタイアップして教育活動を続けてこられたことが深谷市全体に根づいていることがわかる。

拙い話が参加者の心の根っこに届いたのかどうかはわからない。参加者のうち何人かでも、また明日から頑張ってみようかなと思われたのであれば欣幸の至り。終了後は創学舎高校の五十嵐雅子先生とともに会場を後にし、東京まで戻った。列車の中で彼女が話し続けたことは上記のとおりである。

昭和時代とは違い、学校に行かなくても学びが可能な良い時代になった。とすれば、学校のレーゾンデートルとは何だろう。教師のレーゾンデートルとは何だろう。不登校という三字熟語に押し込められたネガティブなニュアンスに圧し潰されることなく、参加した生徒たちが幸せな人生を生きるために、そして悩める誰かを笑顔にするために、学びを続けてくれればと願ってやまない。

木村達哉拝

追記、
メルマガでセミナーの存在を知ってかけつけてくださった方々、ありがとうございました。また、絵本にサインをと持ってきてくださった30名ほどの皆さん、深く感謝申し上げます。

GOOD READSを更新しました。読書リストに加えていただければ。関西学院大学の後輩である作家の岸田奈美さんの『もうあかんわ日記』です(こちら)。