DeepLの新機能が凄いとSNSで情報を振りまいている英語関係者が散見されるが、こういったAI機能が充実すればするほど英語関係者は不要になっていく。特に英語塾の経営者などは秘密にしておいたほうがいいんじゃないかと思う。情報弱者の生徒を捕まえて経営していかないと、有能な生徒は誰も塾には来なくなる。
学校も然り。何年も前から英語の授業は要らないんじゃないか?という声が大きくなっているが、AIのレベルが大して高くない現状では、学校で授業を受けたほうがコスパはいいはずだ。が、これからAIレベルがインプルーブしていくとそうは言っていられない。自分で(家庭や自習室で)勉強していたほうが英語力を爆上げできそうだと思う人も増えていくだろう。
DeepLだけではない。ChatGPTの登場は驚異であろう。現在はプロトタイプではあるが、NYの小学校で使用禁止を申し渡したり、Google幹部が非常事態宣言を発令したりしているChatGPTが日本人生徒たちの手に行き届くことになれば、教師(講師)って何?ということになる。現時点でも、提出系の宿題などナンセンス極まりないが、この流れはさらに進むだろう。読書感想文などの一見するとクリエイティブに思える宿題でさえ、ChatGPTに放り込めばいいのだから。
となれば、学校のレーゾンデートルっていったい何なのかということになる。存在論を突き詰めれば、スキルを習得する場所ではすでになくなっているのだから、それに加えて何かしらのメリットがなければならないし、学校に通うデメリットをメリットが上回っていなければならないことになる。
たとえば、学校に通うことによってファイティングスピリットがインスパイアされるとか、この先生と喋っていると英語を勉強したくなるとか、そういった要素が必要なのではないかと常々考えている。わたし自身がどの程度生徒たちの気持ちを燃え上がらせていたのかはわからないが、少なくともそういう気持ちを失って、単に読み方や聞き方をオートマティカリーに教えているのでは「灘校」も「キムタツ」も死んでしまうことになるなと思っていた。
教育予算が少ないからという理由で必要な機材や教材を揃えられない学校が、果たしてこれだけ発達したAIに太刀打ちできるのか。経済産業省が教育予算をとったときから教育現場の変容は予想していたが、それを上回る変化が確実に起こるだろう。文部科学省の面々が、すでにつぶされてぐちゃぐちゃになった面子をさらに一層ぺしゃんこにされないように、腰を低くして教育現場を勉強し、教えを乞い、そして正しく教育改革をしていくことが望まれる。
木村達哉拝
追記
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