のべ65校に訪問したことがわかった。2022年の講演や授業を「訪問記」にすべてアップし終えた(こちら)が、数えてみるとのべ65校(塾・予備校含む)で講演や授業をしたことになる。よく「講演やセミナーって年間どれぐらいするのですか」と尋ねられるが、これにセミナーを含めると90ぐらいか。
講演料はだいたい先方がお決めになるので頓着しているが、あまりにも講演の数が過ぎると執筆の時間がとれなくなるので、アルクの植元君に調整してもらっている。こういうのをWin-Winと呼ぶのだろう。執筆時間が取れなくて困るのは学研やアルクなどの出版社なので。
すでに今年の講演依頼が届きまくっているが、英語の勉強法はネットを探せば山ほど落ちている。むしろ、人生について、モチベーションについて、保護者対応について、教員の研修方法について、というのが講演依頼の中心になりつつある。教員研修の一環で、英語科の教員が見学するので授業をしてほしいという奇特な依頼もある。どんな依頼であっても、思いの丈をぶつけることにしている。相手の思惑などは無関係に、自分の信念に従って話す。
が、私の場合、名刺の肩書きが「作家」なので、そもそも喋ることが本業なのではない。書くこと(絵本の場合、描くこと)が仕事だ。そのために膨大なインプットを行わねばならないので、読書も仕事の一部と言えるだろう。
ただ、そうは言っても自分の著作を大切にしてくださっている人たちに、著者としての想いを告げることは大切なように思われる。たとえば『ユメタン』は、そもそも受験を超えた英語力を身につけてほしくて、つまりしっかりとリスニングができ、英語を話すことができる学習者になってほしくて作った単語集である。そういった想いを届けるのは大切なことなんじゃないかと考えている。
『ユメタン』の誕生秘話についてはこちらで話したが、いわゆる「瞬間英作文=クイックレスポンス」ができるようになるためのトレーニングブックとしての性質が強い。ご存じのとおり、大人用の本は売られているのだが、学校で使うものがなかったので自分で作ったのである。
訪問する学校では、リクエストがあれば瞬間英作文を披露し、生徒たちから拍手喝采をいただく(著者なので出来て当然なのだけれど)が、彼ら彼女らにも出来るようになってもらいたい。単に週一度の単語テストで合格するだけの語彙学習だと、そもそもすぐに忘れてしまうはずだ。それでは悲しい。
文脈で覚えたほうが覚えやすいだの、単語集など不毛だだのと、いろいろヒトは言う。しかし文脈で覚えた日本語の言葉をあなたはどれだけ覚えているというのか。何度も触れなければ文脈であろうと単語集であろうとすぐに忘れてしまうのだ。相当な反復回数と、知的に話せるようになりたいという気迫が要るのだ。
常に反復回数を意識し、「山」と言われればmountainと、「海」と聞けばoceanやseaと、瞬時に英語に直せるよう『新ユメタン』の全単語をしゃぶり尽くしてもらいたいと願っている。27日は北海道きっての進学校である札幌国際情報高校で、『新ユメタン』を使って学習している全生徒たちに対して思いの丈をぶつける。
木村達哉拝