私の著作を出してくれたアルク、三省堂、数研出版、朝日出版社、文英堂、ベネッセコーポレーション、ラーンズ、KADOKAWA、講談社、ラグーナ出版、啓林館、旺文社、あさ出版には心から感謝しているので、それらの企業の本社位置を綿密に調べ上げ、そちらの方向には足を向けて寝ないことにしている(少し嘘が入っているが気にしない)。
それでも、だからと言って、そういった企業とタイアップしているとか、限られた予備校とつるんでいるとかといったようなことは無い。もちろん、『新ユメタン』を全生徒に採用しています!とか『新ユメサク』を全生徒に持たせています!とかいった極めて素晴らしい塾や予備校から依頼されればスキップしながら出かけていって、講演なり特別授業なりをさせていただく。が、あくまでも客員講師であって、専任講師ではない。
ついでに言うなら、『ユメタン』がついに250万部を超えました!とか『5ステージ英文法完成』が絶好調で今年も何十万部も売れています!とか言われても実感があるわけではない。そもそもそういった数字を著者が全力で追いかけるのはナンセンスである。このような動画を撮ったりもしているが、あくまでも頼まれて撮っているのである。依頼されれば仕事をするのは当然。
誰かが言っていたとおり、次の作品を代表作にするために日夜書いているのであるからして、過去の作品を著者自身が必死に売っている姿にはどうにも憐憫の情を禁じ得ない。営業の方々には著作を売ってくれろと、心から頑張ってほしいと、強く願いながらも、次作に向かうのが物書きの矜持というものだ。今はGakkenのために全力で良い本を創っている。
さらに加えて、2年前に灘校を退職した際、いくつかの予備校から「うちに来ないか」と新沼謙治的に声をかけていただいた。給料を毎月もらえる勤め人とは違って不安定な生活なのでありがたいとは思ったのだが、それでは「専業の物書きになります」と卒業式前日に教え子たちに告げて万来の拍手をもらったのに、なんだか彼らを裏切るような気がするし、そもそもそれだと灘校を退職した意味がまったくない。
が、たまにこういうイベントのお誘いをいただく。人前で話すのは嫌いではないし(否、かなり好きなほうだし)場所が沖縄ということもあって、オファーをいただいた際には二つ返事でお引き受けした。
オーガナイザーである沖縄受験ゼミナールにどのようなメリットがあるのかはわからないが、沖縄の方々がたくさん集まるジュンク堂書店那覇店で、こうしたイベントに登壇できるのは幸せ至極である。
前回のイベントは昨年だったか。コロナ禍にも関わらずおよそ120名ほどの方々がいらっしゃったので、コロナが収束しつつある現在はその10倍ほどの方々がお見えになるのではないだろうか(だとすると、書店に入りきれない)。皆さんに笑顔になってもらえればいいなと思いながら、18日を楽しみにしているのである。
木村達哉拝
追記
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