Evine先生がお書きになった『コア英文法』を読了した。英文法の単位が「英語表現」なんて訳のわからない名前に変化しても、日本中の良識ある英語教員たちはしっかりと英文法を教えている。生徒数が激減しているのに私の『5ステージ英文法』や『ユメブン』が毎年増刷をいただいているのがその証左であろう。
灘校の場合、常に単位は「英語」で、他校のように英語の単位に「英コミ」だの「英語表現」だのといった名前がつけられていなかったので、自由に授業ができた。この授業ではリーディングを教えねばならないとか、この授業は文法だとか、そういったことはまったくなく、英語を6年間で完璧に使えるようにすればよかった。逆に言えば、教員の力量が問われていた。
教科書を淡々と教えろと言われると、教師はかなり楽である。逆に、どんな教材をどう使ってもいいから英語力をばりばりに高めろと言われると、教師は考えることになる。なにしろ責任が両肩にドンと乗っかっているのだ。教科書を定期考査のために粛々と進める指導は、教員にとっては幸せで、生徒たちにとっては幸せとは限らない。
『コア英文法』に関してはまた書くが、英文法はこういう本を読んで理解し、ドリルを多少こなしてインテイクしたあとに、ひたすら英文を書くことだ。子どもの頃、日本語の文法を親や教師から教わったあと、日常的に使いながら覚えていくことになる。それと同じである。
そういう英文法の勉強をしていると、英語を話したり書いたりする力が上がる。というより、そのために英文法の勉強をするのであるから当然であろう。上記の『5ステージ英文法』にしても『ユメブン』にしても、英語を話したり書いたりする力を涵養するために創ったのである。『英語反復トレーニング』も(増刷になっているのかどうかは連絡がないのでわからないが)然り。
英作文は得点源で、京大であっても阪大であっても満点が狙えるのはこちらの動画で話したとおり。ただ、そのためには適切な英文法の勉強をしておかねばならない。この「適切な」を誤解して、四択系の問題集ばかりやっていると「不適切な」英文法の勉強をすることになり、ほとんど力が身につかないまま受験を迎えるので極めて危険である。得点源である英作文で点数を落とすのだから、英語に関してはなかなか合格レベルに達するのが難しくなるのだ。
木村達哉
追記
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